人生、これから

hitto2010-12-20

「自分の人生を終わりにしたかった・・誰でもよかった」と、また悲惨な事件が起きた。
27歳という年齢には引っかかる。
年齢に引っかかるというより、この世代の若者の犯行というのが辛くやり切れない。
同じ歳の子の親であるからだと思う。
思えば中学生の時の事件が最初だった。
まだまだ先のある未来を現状の辛さに押しつぶされ、ついには犯罪を起こしてしまった。
こんなやり方の犯罪は残酷卑劣極まりない。

同じように人生を終わりにしたいと思う人間は自殺者の多い日本ではかなり多いのだと思う。
今ほど安定した社会はないだろうと思う反面、景気が急に後退して雇用状況が悪くなったという厳しい現実を誰もが知っている。

たとえ就職できても安心はできない、非正規ならなおさら先が不安になるのだと思うけれど。
競争社会のなかで勝ち負けという判断で見てしまえば、自分は常に勝ち続けなければならないという、そんな強迫観念に捉われた人間が数多くいるのでは・・しかし勝負は先の先だよといいたい。
長い人生、どんなに羨むエリートコースを歩んだ人間にしても悩みはついて回る・・ああ、疲れる、何だか考えただけでも疲れてしまう。
27歳ともなれば、大人。
孤独な暗闇のなかで、誰にも弱音を吐けなかったとして、そんな強さはいらない。
就職するのも、ましてや結婚だって、今の若者にとっては良い状況とはいえない社会なのかもしれない、けれど、けれど、若い肉体があれば、取り敢えずは働いて、自由に生きるという喜びだってあっただろうと思う。
社会に対しての怒りというのは、動かし難い今を生きているのだから甘えだと思う、時代を受け入れ、そのエネルギーを使って自分が楽しいと思えることに没頭してみてよ、と言いたい。
自分にとっての幸せ、小さくともいいからひとつくらいは見つけてほしかった。
事件後、一番捕まってホッとしたのは犯人だったのかもしれないと思う。
死者が出なくて不幸中の幸いだった。
この男性がいつか立ち直れるように祈りたい。


そんなことを言って、親の身の私は更に落ち込んでしまう。
どうかすると、不安で不安でしかたがない。
来年早々に東京へ船出する長男の前途多難な人生を思うと、とても人ごととは思えない。