救急車騒ぎ・・・

hitto2008-11-07

昨夜は救急車騒ぎで仕事が手につかず、今週も仕事を土曜日まで持ち越してしまいそう。

救急車は数件先の3階建て住宅の前で止まり、我が家の窓ガラスにも赤い点滅が届く距離。
家の前を通る救急車のサイレンは心臓に悪い。
我が家とは近所付き合いのない家庭で、住人について知っていることは家族構成だけ。外は雨が降っているので、野次馬は少ない。
隣の家の人はベランダ越しに覗いている。私も雨が降っているので障子だけ開けて、ガラス窓越しに見ていた。
お爺ちゃんも外は雨なので居間に上がって来た、私の後ろに立って見ることに・・・息がかかるほど近い。

10分〜20分、遅くともそのくらいの時間で搬送するだろうと見ていたが、救急車の後ろのドアを開けたまま誰も姿を現さない。
2階のベランダに救急隊員の姿が見え、下を見下ろしている。

30分程経った頃、今度はレスキュー隊6人が到着。
予想し得ない搬送の手順・・・パトカーは来ていないので事件ではない。
2階のベランダに梯子が掛けられ、どうやらロープに吊して降ろすらしい。
何故だ?
人ひとり降ろすのに何でこんな方法をとるのか?
大の大人が何人もいるのに、担架が階段を通らないからといって、肩に抱きかかえ下りて来るくらい出来そうだ。
それが出来ないのは、病人を動かせないからか?
心臓の鼓動が、お爺ちゃんに聞こえてしまうのでは・・・と少し離れてみるが、いったい誰が運ばれるのか?気になってしょうがない。
ベランダから担架が降ろされたのは、到着してからもう1時間は過ぎている。


1分、1秒を争う命を、救急車に乗せるまでに1時間も要したのなら、助かる命も助からないではないか?・・・と耳元でお爺ちゃんは激しい口調で言うが、私はその口から飛ばされる唾が気になって、頷くのみ。
担架に乗せられた病人は雨がかぶらないように黒いビニールが掛けられている。
ご主人なのだろうか、その足が担架からはみ出して見えていた。
私は息を深く吸い込んで吐き出し、担架に乗せられた足の裏ばかりを見ていた。

私はその足が少しでも動くことを期待していたが、期待に反して微動だにしない足のまま・・・急いでドアが閉められた。

付き添いに同乗したのは奥様か、ヴィトンのバッグを肩にかけ車に乗り込んだ。
私も窓を閉めて、運ばれて行く救急車の音だけを聞いていた。
時刻は10時半を過ぎていた。