「おじいさんと草原の小学校」2010年 イギリス映画

hitto2012-10-12

今日の室温22、5度と適温。
外はそれよりも低めか、西日が眩しい。
昨日は、丁度夫の出勤時刻に合わせたように朝に雨降り、夜に雨降り・・散々な目に。


昨日観た映画。
「おじいさんと草原の小学校」2010年 イギリス映画


マルゲの夢は、学校に行くこと。
学びたい――その強い気持ちが奇蹟を起こす。
過去に打ち勝ち、未来を変えた“84歳の小学生“の、これは真実の物語。

アフリカ大陸ケニア
イギリスの植民地支配から独立を勝ち取った39年後の2003年、政府がついに無償教育制度をスタートし、田舎の小学校の前には何百人もの子供たちが押し掛けた。その中にただ一人、老人の姿が。今まで教育を受ける機会がなかったマルゲは、“文字を読みたい”一心で、馬鹿にされながらも、何キロもの道のりを学校まで来ては門前払いされる日々を繰り返していた。そんな彼の情熱に突き動かされた若い女教師ジェーンは、周囲の反対を押し切り、マルゲの入学を認めさせる。6歳の子供たちに交じり、初めて学ぶことの楽しさを体験するマルゲ。だが、50年前の悪夢は、毎夜彼を苦しめ続けた。独立戦争の戦士として闘い、愛する妻子や仲間を目の前で虐殺され、強制収容所で拷問にかけられた日々…。過去に打ち勝つため、未来を変えるため、マルゲは勉強を続ける。その情熱は、歴史を知らない幼い級友たち、そして政府までも動かしていく。・・・byKLOCKWORX公式サイト


よい映画に出会ったと思います。
タイトルからは、ほのぼのとしたものを想像していましたが、全く違いました。
ところどころに、主人公マルゲの辛い過去がフラッシュバックで映されるので、目を覆いたくなるのですが、ケニア独立運動という事実に基づくものなので悲しい歴史として認識できました。


小学校へ通ったとする2003年は、ついこの前という感じです。
世界には、貧しくまだまだ未開発の地があり、学校へ行くことも困難なところがあるということを、豊かな日本にいると忘れてしまいます。


マルゲにとって読み書きができるようになりたい、という単純な理由だったけれど、高齢という物珍しさもあって、周囲の反対やマスコミが駆け付けたりします。
又有名になることで内からと外からと波紋がひろがり、最大の理解者である教師のジェーンまで失いかけてしまいます。
ジェーン先生もまた陰謀ともいえる困難に立ち塞がり学校を追われることに・・

しかし、子供たちは自分たちのできる範囲のことを行動で示し、学校の門を閉め教師や親たちを阻止しようとします。
マルゲも単身大都会であるナイロビへ出かけ上層部へ抗議をします。

上半身裸になり独立戦争で負った傷跡を見せるのですが、ケニア独立のためイギリス軍からの支配に屈せず闘い抜いた証であり、誇り高き戦士であったと思う場面で、とても印象的でした。

子供たちの表情が素晴らしい。
どの子も愛らしくケニアの未来は明るいと思いました。

アジアでは、こういう形での映画は難しい。
中国では抗日映画やドラマが頻繁に流されているということですが、真実の歴史というものが、こうも違っていては互いに反発を招くばかりだし・・日本人同士でも真実が一つになることがないです。


最後の字幕スーパー
最高齢の小学生としてマルゲはギネス記録を持つ。
彼はのちにニューヨークの国連本部で教育の力について演説をした。
彼に感銘した多くの子供が学校へ通った。
キマニ・ナンガ・マルゲ(1920〜2009年)