「永遠の僕たち 」 2011年 アメリカ映画

hitto2015-06-06

季節が逆戻りしたよう・・部屋の中は20℃ない。
札幌の妹から電話が入る。
昨日は北海道のどこかで雪が降ったとか言っていた。
寒くてストーブつけているって、ホント?
花は一斉に咲きだしたのに、ペットのワンちゃんたちも寒暖の激しさで具合がわるいそうだ。



昨日観た映画。

「永遠の僕たち (原題: Restless)」 2011年 アメリカ映画

監督 ガス・ヴァン・サント
脚本 ジェイソン・リュウ




久しぶり純愛映画を観た感じがします。
始めは少年が葬儀に参列し、しかも見ず知らずの他人?何?何?何?と頭の中はクエスチョンだらけという、少年の屈折したこの異様な趣味は、いったいどんな原因があってそうなるの、その疑問を抱いたまま物語が始まりました。




両親の死を恨み、死に追いやられ、死者と話し、学校へ行かずにひたすら死人を追いかける。

葬儀の席は亡き人を送る悲しみと愛に満ちている。



少年は死とは無になることと考えて、生きることの意味が掴めない、そんな感じがしました。

いったい誰がこんな少年に興味を抱くだろう。

葬儀に居合わせた少女がこの少年を見て微笑む。

そのなんと美しい眼差し。

その少女は病に侵され余命幾ばくもない。

何かあまり好きじゃない筋かもと思いつつ・・それでも目が離せなかったのは、加瀬亮さんの摩訶不思議な存在があったからだ。





まるで「禁じられた遊び」のような、大人は眉をひそめて眉間にしわを寄せるような少年の行動だった。

そこに自然に身を寄せる少女。


メルヘンのように美しい情景と、すうっと溶け込んでいる二人があまりにスマートで非の打ちようがない。

死への恐怖も感じられず、死が隣にあって当然と思えるような少女の肝の据わった感性。



自然の中に身を置き、鳥や虫に自分の生を重ねていたのかもしれない。

だから観ている自分の心の中に暗く陰を落とすこともなかったんだと思う。




加瀬亮さんの存在、何故に特攻?

詮索はこの際無意味なことだ。

日本の幽霊が流暢に英語を話せる、日本の俳優さんが英語を話している。
しかも何も違和感が無いのが凄い!



純愛と言える二人のラブシーンは自然体、日本映画ではちょっと台詞が多くなって、こういう流れにはいかないだろうな、照れがあるのと観客も慣れないだろうなと思った。



少女の道先案内人、特攻隊員だった加瀬亮さんが正装して迎える。
何も恐くはない。



少年が少女の死を受け止め、最後に微笑むラストシーン・・余韻に浸りながら、ふと人は段階を踏むことで徐々に大人になれる、そんな大切なメッセージを受けたと思いました。