映画・・・「海辺の家」 (2001)

hitto2007-12-18

午後から仕事に手をとられるので、午前中の僅かな時間を自分の為に・・・。
まるで評論家気取りで、下手な文章を残すのは、こんな場所に巡り会えたからで・・・大雑把に、いち主婦としての戯れ言だと見て見ぬ振りをして下さい。
ペンを持って書き込む日記と違う点は、ブログは見えない誰かを前にして書いていることなのだろう。
見えないからと、何を書いても良いということではないけれど、自分に出来る配慮を心がけ今日も一筆・・・。

自宅で仕事をしている傍ら、BS2の洋画を録画しては、好きな時間に再生して観ていた。
出来れば、過去に観た映画のタイトルくらいは、記録しておけば良かったかな?と、今になって思うけど、こうして、ブログに感想を残せるのは、自分にとっての備忘録として有効なことだし、遠慮なく、厚かましく、辻褄の合わない文章だろうとも書き記しておこうか。


秋のソナタ」とは対照的な、温もりのある父と息子の物語、「海辺の家」は、悲しいかな父親ジョージ・モンロー(ケビン・クライン)が癌に犯されてから、どうしても息子に伝えたかった本当の幸せ、愛するということ・・・観ている方にもジーンと伝わってくるものがありました。

人は、何れ死ぬのだと誰もが分かっていることだけれど、病に侵されたり、身近にいる大切な人を失ったりすると、世の中の見方も変わり真剣に人生を送ることができるのだと思いました。

少年の両親は離婚、そして母は再婚し、小さな異父兄弟が二人います。その中で暮らす息子サム(ヘイデン・クリステンセン)に居場所はなく、生活は荒れていました。
短いひと夏の物語りです。

実父ジョージのもとへやって来た息子サムは、薬漬け、おまけに反抗的な態度・・・救いようがないという風貌。
本気で向き合わなければならない。
ある意味命がけのことかもしれない。
実親子であっても、現実こんな息子に手を焼いて見放す親だっている世の中です。
息子にしたって今更です・・・繊細な演技は、在りし日のジェームス・ディーンのようです。

建築家の父親ジョージは、自分も憎んだであろう父から譲り受けた家を壊します。そして、海辺に浮かぶ理想の家を建てていきます。
荒れた息子を前に
「お前は、誰といても楽しそうじゃない、死人といっしょだ」
「人はゆっくりと変われるものだ、そして変わってからその事に気付くのだ」
と自分と自分自身の父親との関係を語りながら諭します。

始めは無関心だった息子も少しずつ変化を見せます。
そこには、いつも息子や元夫を尋ねては世話を焼く母親と弟達がいます・・・凄く楽しそうです。
徐々に出来上がる新しい家の中で、元夫婦がダンスをします。
元夫婦もすっかり幸せだった離婚前の頃に戻ったようでした。それを陰から見ている息子も気が付いたのでしょう。
自分が愛されて、そして幸せに包まれて産まれてきたことを。

充実した家造りの日は、そう長くは続きません。
父親の容態の悪さを気遣って、息子が尋ねます・・・父親は「癌とトラブってね」悲しい事実を淡々と話す父親の言葉に、息子のやり切れない思いが苦しくなります。
父親に向かって責めたてます「騙していたんだ」と「自分の為に呼び寄せた自分勝手な奴だ!」と父親の前から飛び出して行きました。

息子は恋人に救いを求めますが、この恋人が大人でした。息子は、本当の愛に気付き、素直な気持ちを取り戻します。
息子は作りかけの家に、イルミネーションで飾ることを思い付きます。
病院に運ばれた父親を見舞い、窓からキラキラとイルミネーションが光り海辺の家が浮かび上がります。
少し出来過ぎていますが感動的な場面でした。

短い映画の中で変わっていく様子を詰め込むのは、難しいものなのでしょう・・・が、とても良く伝わってきました・・・良い映画でした。

さて仕事、仕事。