自尊心を生かしながら

hitto2009-03-12

田口八重子さんのお兄さんと長男の飯塚耕一郎さんが韓国・釜山で金賢姫(キム・ヒョンヒ)と対面した。
97年以来公の場に姿を見せていなかった金賢姫(キム・ヒョンヒ)さんは、47歳という落着きが感じられた。


八重子さんは私と同年代。
北朝鮮に拉致された方たちの人生は私にとっても人ごとではない。
1975年前後私もよく海岸へ出かけていたもので、もしかしたら私が・・・とも思えたのです。


耕一郎さんを抱きしめた金賢姫の脳裏には八重子さんから聞かされたたくさんの記憶が蘇ってきたのだろう。
新聞やネットの中にない話を耕一郎さんはどんな思いで聞いたのだろうか。


母である八重子さんとの思い出が何ひとつもない耕一郎さんにとって、拉致された母でなければ一切聞きたくないものだったかもしれない。
金賢姫さんが流暢な日本語で話せたのは八重子さんの日本語教育があったからだが、その八重子さんが拉致されてやってきたことも子供がいたことも当然知っていて、日本の話をいろいろ聞かされて二人の関係が良かったことが想像できるのに、その後あの事件を起こしたとは・・・なんという国なのだと思うばかり。

八重子さんと耕一郎さんを重ねた思いは計り知れないが、金賢姫さんが今生きていてくれた奇跡に感謝したい。
八重子さんも、横田めぐみさんも生きていると言ってくれたことが、どんなに身内の関係者に希望を持たせたことか。
日本のこの先の交渉には気を揉む。


北朝鮮の自尊心を生かしながら、心を動かすことができる方法とは・・・・・責めてばかりではイケナイということか。
拉致を責めずに救出できる作戦があるのだろうか。


クリントン国務長官北朝鮮の「人工衛星」打ち上げと称して「テポドン2号」の発射準備を進めていることに関して、制裁措置も含めて検討しているという・・・こんな物騒な国を相手に奇跡を起こせるだろうか。

一日遅れれば、それだけ歳をとってしまう。