映画「ココシリ」 2004年・中国

hitto2010-02-05

立春とは言え、流石に2月という凍るような寒さ、何もかもが冷やされて身体が縮こまってしまう・・と、柔なことばかり言っては罰があたりそう。
昨日観た映画「ココシリ」を思い出すと想像を遙かに超えている秘境の地に、生きる人々の姿があることに驚く。


「ココシリ」 2004年・中国 KEKEXILI:MOUNTAIN PATROL
中国青海省、最後の秘境といわれる高地「ココシリ」では、生息するチベットカモシカを求め密猟者が後を絶たない。乱獲を防ぐため地元チベット人によるマウンテン・パトロールが結成されるのだが・・・。実話を元に、資金もなく窮地に立たされながらも、過酷な高地で命を賭ける男たちの姿を追った秀作。チベット語で「青い山々」モンゴル語で「美しい娘」という意味を持つ場所「ココシリ」をとらえた映像は圧巻。
(原題:KEKEXILI:MOUNTAIN PATROL)
〔監督・脚本〕ルー・チューアン(陸川)
〔撮影〕カオ・ユー(曹郁)
〔音楽〕ラオ・ツァイ(撈仔)
〔出演〕デュオ・ブジエ(多布傑)、チャン・レイ(張磊)、キィ・リャン(元亮) ほか


悲しくもそれが現実に起きた事件だと分かる。
それを多くの人に知らせることが、この映画の大きな意義(役割)かなと思う。
どんな苛酷な状況のなかでも生きていく為のもの、生と死がこれほど隣り合わせになっていることが空恐ろしく衝撃だった。


自然の前では、あまりにも簡単に人の命が奪われてしまう、秘境のなかに入ると残酷な死も跡形なく消えてしまうという現実、その場所に取り残される者の恐怖、人間っていうのは凄い動物なのだと改めて思う。
昨日観た「不毛地帯」でも日本企業の険しさが顕わに見えていた。
全てがその恩恵にあずかる人間の仕業かとも思える。
闘うのはいつも男、男の人って原始のころから狩りを使命とするように今も身体を張って生きているのかもしれない。話が逸れてしまいました。


この映画を観て、登場する人たちの何が良いか悪いかとは、決して言えない・・カモシカの密猟者たちの中には、生きるために仕方なしに集って来ている者がいる。
昔は羊や牛、ラクダの世話をしたりして生活していたけれど、草原が砂漠になって放牧することが出来なくなった、と言っていたことにも引っ掛かっていた。
自然が少しずつ形を変えていること、美しい山々に囲まれた秘境をそのままに置いておけるように、人間は努力しないといけないのだと、つくづく思いました。