「マンホールチルドレン」

hitto2010-02-06

お爺ちゃんの歯医者さん終了。


昨日はポニョを観る気力も無く、食後のくつろいだ姿勢のままで「バンクーバー五輪に挑む」かんさい特集(NHK)を観てまったりと金曜の夜を過ごしていました。

番組が終了してから惰性で画面を切替え、録画画面に合わせようとしていたところ・・NHK・BS2にチャンネルが合い、BS20年「マンホールチルドレン」(2作を一挙放送)をやっていて(もう半分以上が終わっているのに)、ホンの数分観ていただけで惹きつけられてしまいました。

昨年の一年間、読売新聞の毎週土曜日に連載されていた「優しいおとな」原作:桐野夏生さんの小説のなかだけのものと思っていた世界が、まさかこんなにも大勢の子供たちがマンホール内に暮らしているという、現実の世界がモンゴルにあることにかなりショックを受けました。


「優しいおとな」は、イオンという名の少年(ストリートチルドレン)の話で、毎週土曜日の朝刊を手にすると、いの一番に読んでいたものでした。
普段読書にあまり時間が割けないので、私には丁度良い読書量でした。


ストリートチルドレンは日本では有り得ないだろうと思うのですが、日本ならもっと楽に生活ができるだろうか・・とか、そんな思いで画面を凝視していたのです・・が。
マンホールという住まいの様子は、これ程までどん底にあって、教育も受けられないし・・食べるものもない、ホテルの残飯や、病院の前で食べ物を乞い求めるのを、救われない思いで見ていました。  
が、そこに映るこどもたちは逞しくカメラに向かって笑顔さえ見せている。


日本の子供たちのなかにも、今すぐ助け出さなければいけないと思う(見えない)子がいるという現実がある。
どちらが深刻か。
逃げることも出来ない、虐待を受けている日本の子供の方がもっと深刻な状況にあるのだと思う。

ドキュメンタリーなだけにモンゴルの首都ウランバートル市内のマンホールチルドレンの様子は衝撃の映像でした。


核となる子供たち、今は大人ですが、女性オユナと男性ダシャとボルトの三人、後半の「マンホールで大人になった 再訪・厳寒のモンゴル」で第1回放送の回想シーンが時々織り交ぜているのを繋ぎ合せ、この子たちに次第に感情移入してしまうのでした。


10年後の様子も放送されているとかで、気になりパソコンを検索。
大人となった三人は複雑に絡み合って今もどん底の生活から這い出そうとしているのか・・。


これは小説なんかじゃないのに、1本の映画を観るような気分でいるのは不謹慎、無神経だと、自分がとてもいた堪れなく落ち込んでしまう。
モンゴル政府の問題であり、少しでもこの子たちの生活が向上することを祈るしかありません。
若い人に働く場所がないということ。日本と共通した問題でもあるけれど、どちらも厳しい状況であることが益々未来を不安にさせている。