「ピノイ・サンデー 」2009年

NHKアジア・フィルム・フェスティバル 「ピノイ・サンデー 」2009年・台湾/日本/フィリピン/フランス PINOY SUNDAY
フィリピン人出稼ぎ労働者のダドとマヌエルは、故国に家族を残し、寂しい気持ちを抱えながらも、多くの仲間たちとともに台北の工場で働いている。ある日、二人は道端に捨てられたソファーを見つけ、工場の寮まで運ぼうと考える。このソファーが二人に極上の時間をもたらしてくれるに違いない・・・。異国の地でたくましく生きるフィリピン人たちの姿をコメディー・タッチで描く。NHK国際共同制作作品。
<作品情報> 
(原題:PINOY SUNDAY)
〔監督・脚本〕ウィ・ディン・ホー
〔脚本〕アジェイ・バラクリシュナン
〔出演〕エピィ・キソン、バヤニ・アグバヤニ、アレッサンドラ・デ・ロッシ、メリル・ソリアーノ ほか・・・・・byNHK


出稼ぎ労働者、日本にもたくさんアジアの各国から働きに来ている。
時々業務用スーパーへ行くと、何語か分からないがグループになって買い物に来ている。
私はそこでしか外国の方とは会わないけれど、子供たちや夫は、いろんな場面で出会っているようだから、相当な人数だと思う。
それに留学生を含めると、遥か異国で頑張っている人は数知れない。
どんなにか心細く不安なことかと思うけれど、その土地に慣れ親しみ、良好な人間関係を築いてくれたらいいのになぁと思う。


この映画に出ているダドとマヌエルの二人は、明るく寮の門限以外には不満もなく(不倫なんかしていたり、気になる女性を追いかけたり、十分に楽しんでいるふう)難なく過ごしているようにみえる。
それでもやはり離れていても故郷のことがいつも気になっているのだろう。
経済的な理由がなければ、出稼ぎをしなくともいいのだから、フィリピンというところは、まだ発展途上国なのだとわかります。


女性にふられてしまったり、不倫相手の女性の誕生日の日に別れ話を切り出したりして平手打ちをもらったりと・・気持がすさみどん底だった二人が、偶然見つけた赤い高価そうなソファーを拾い寮まで運ぼうとする。
だけれど、なんてったってソファーは大きくて重そう。
ソファーに座り星空を見ながらビールを飲めば、まるで天国にいるようだ・・と、二人は言い争いながらも歩いて運ぼうとするのだけれど。
まあ、途中バスに乗せようとしたり、バイクに衝突したり、色々とあるのですが、時々休んでは、ソファーに座る姿がどんなに劣悪な場所においても、腰を下ろすと途端に別世界が広がるような心地よさがこちらに伝わってくるのです。
座って目を閉じると、愛する人や家族にもたれているような夢の世界に入るのだから。
情景がもの凄くきれい、川面に揺られ遠くまで流されている時は本当に現実離れした世界が広がっている。
結局ソファーは川に置きざり、二人は故郷へ帰されてしまうのでした。
また、この二人の会話が前向きで楽しい。
フィリピンで土地を買い工場を建て家具を世界中に売ろうと、また歩き始めたのです。
なんかこういうのって、いいなあと思います。何処にいても希望はなくさない。この二人なら、いい家具つくるだろうなぁ。


さて、今日は、フィギュアスケート・グランプリシリーズと中日・巨人と忙しい。どっちも、どうなるのだろう?ワクワクよりもハラハラ。