「火の魚」NHK

hitto2010-03-14

お水取り(東大寺二月堂)も終って、今日は本当に春らしいお天気。
午前中の間に7000歩を達成。
梅とも桜とも見分けはつきませんが、山々の木々が眩しく咲き誇っていました。


フィギュアスケートの世界ジュニア選手権、昨夜未明に村上佳菜子選手が優勝、男子の羽生結弦選手の優勝に続く快挙を成し遂げました・・・パチパチ!パチパチ!
これで来シーズンの出場枠が男女とも3人になるというのですから、価値ある優勝です。
来シーズンも盛り上がります。
ペアでも高橋成美選手、マーヴィン・トラン選手組が準優勝と、若手の日本選手の頑張りが嬉しいです。


昨日の夜は何だか仕事からも解放されたからか、春のせいか、眠くて仕方がなかった。
そう言えば、前夜(金曜)の長野メモリアル・オン・アイス2010を観ていたので、いつもより睡眠不足でした。どの選手も素晴らしかった。


昨夜ウトウトした後で観たのは「火の魚」NHK広島放送局が制作したドラマでした。
文化庁芸術祭大賞(テレビ部門・ドラマの部)受賞に輝いていたのですね。
なるほど・・短いながらも心に残るドラマでした。

主演は原田芳雄さん、昔は売れっ子の作家でしたが、病を機に故郷の島に戻り小説を書いていました。
そこへ編集者の折見とち子(尾野真千子)が訪ねて来るのですが・・・この二人のやり取りが巧い!
頑固な初老の男のつぶやきを聞いていると、自分の父親を思い出す。
というか、少し前までこのような男性が多かった。
反して女性の言葉使いの美しいこと。
ハッキリと自分の意見を伝えながら相手を傷つけず、凛とした態度、脚本が素晴らしいのだと思います。
観たままの感動を娘に伝えると、なんと自室で同じドラマを観ていたという。
そして室生犀星装幀家栃折久美子さんとの実話だと聞いて驚くこと・・・じゃあ、この編集者の女性は今も元気でいられるのだ・・・長生き出来ていることに再び感動、良かった〜。


偏屈で頑固、意地悪な小説家の悲しみ、そして優しさ、胸に堪えました。
嫌われることを何とも思わない。
それどころか相手を嫌いになるようにわざとしている。
それは相手を好きになったところから自分の苦しみが始まるからと言う・・・。
昔「意地悪ばあさん」というのがありましたが、まるで意地悪じいさん、といったところ。


娯楽の少ない島の子供たちの為に披露する、とち子の影絵も素晴らしかった。


ある日、自身の小説をとち子に酷評されたことで、小説の中の金魚をモデルにした主人公の女性を死なせて終わりにしてしまう。
その小説の単行本の装丁に金魚の魚拓を命じるのです。
そりゃあ、さんまもイワシも金魚も同じ魚、だからって金魚の魚拓を作らせるとは・・泣きながら金魚に針を突き付ける姿に思わず泣けてしまいました。


その日から姿をみせなかったとち子、電話で問い合わせると、とち子が2年前に癌の手術をして再発し、入院していると聞いて愕然とする。
ガーン!である。


それまでの自分を悔いて詫びるが、とち子の態度、話す言葉がすべてを見通しているようで迫力があった。
癌の手術をして自分が一番孤独だと思っていた・・けれど先生は私以上に孤独な方でした。それが自分の心の慰めだったとも言ったのです。
孤独な人だと知って、自分が誰よりも一番理解できると思ったのです。


薔薇の花束を手渡すぎこちなさ、とち子の気持ちの強さ、見事に表現されていました。
見つめ合う最後のシーンは涙で画面が霞んでしまいました。


そこへ丁度長女が階段から降りてきたものだから、「いや〜、いいドラマだったよ」と少し興奮して自慢気に話の筋を話したのです・・なのに、「観たよ・・」って。
お父さんは横でしっかり寝ていました。


読売新聞  日曜版
クロスワードの答え・・・・・トライアングル
数独の答え・・・・・2+3=5・・・5