一日、快晴。
「英国王のスピーチ」2010年、イギリス映画
『英国王のスピーチ』(原題:The King's Speech)は、2010年のイギリスの歴史ドラマ映画。
吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世(コリン・ファース)とその治療にあたった植民地出身の平民である言語療法士(ジェフリー・ラッシュ)の友情を史実を基に描いた作品。
第83回アカデミー賞では作品賞など4部門を受賞した。byういき
あらすじもWikipediaに載っているので感じたことを。
キャストが素晴らしく相応しいと感じます、主要人物は少ないし人間関係がすぐに理解できます。
話の内容は、どこまで脚色されているのか定かではありませんが、格式があり閉鎖的な大日本帝国の皇室とは全然違うと思いました・・これも定かではありませんが、当時は現在と違い神というような存在だから多分。
王室の在り方は違わないと思うけれど、日本の皇室よりもずっと自由があるなと思いました。
王室を抜け出し平民である言語療法士のところへ出掛けるなんてこと、やはり日本の皇族ならば考え難い。
超一流の医学博士なんかが登場してきそうだし、この映画はそうじゃなかったので、親近感を持って素直に感情移入ができました。
特に、行動を起こした英国王の妻であるエリザベス妃の愛情の賜物だと思いました。
そして勿論、診療所のローグ。
彼の診療が診療とは言えないほどに親身で、ヨーク公(英国王)の吃音を克服する手助けをしていくので、徐々に信頼関係を築いていくのですが、その過程が分かりやすく、ヨーク公の気持ちの変化が面白いです。
子供時代の特殊な境遇が原因であること、友達のいないヨーク公に「友達の意義は・・?」と尋ね言葉に詰まったヨーク公が哀れにみえたり。
ストーリーはローグがヨーク公の一番の友達に成り得るまでの過程で、地味に演じられていたことが、よりドラマチックに感じられ、最後のスピーチの成功に感動したのかも。
それにしても、このころの時代背景は興味深いし、もっと勉強しなくちゃと思う。
イギリスはドイツのポーランド侵攻を受けてドイツに宣戦布告、第二次世界大戦がすぐにも始まろうとしている。
ヒトラーとスターリンが欧州を脅かして「ナチ政権とソ連共産党に立ち向かうのはお前たちだ」と父親であるジョージ5世が話したりしています。
晴れて国王となる日の戴冠式、ローグと初めて組んだ大舞台のテレビニュース、その後から流れたのはヒトラーの演説。
それは、その時代を映す本物で、凄味がありました。
王室は不安定な存在だと、誰もが恐れをなしながら国民は不安に揺れ動いていたのかもしれない。
国民が団結するには英王室の存在は不可欠だったし、国民の士気を高めるものでもあったと思います。
あの大観衆に応えるヨーク公と影から支えるローグの存在。
映画の最後に、その後もジョージ6世の戦時演説にはローグが必ず立会い二人は終生友人であったと書かれていました。
平穏な時には、国の象徴である天皇陛下について何も感じていなかったものだが、隣国大統領の無礼な発言から、自分がこんなにムキになるのも潜在意識のなかに組み込まれていたのかと納得してしまいます。
戦争などあってはいけない・・今は平和で良い時代と当たり前に考えていました。
しかし、それではいけない時代なのかもしれない。
こんな風にネットを開けば諸外国の情報が入って来るし、日本の立場は内と外では相当にズレがあったりするから、安易に国内の情報ばかり鵜呑みにしてはいけないということも考えなければ。
欧州各国の立場は、日本という国よりも複雑に交互に交差していて、私個人のネット力や考える能力は無いに等しい。