久々のウルルン

hitto2011-04-11

昨夜のテレビ「ウルルン滞在記」がスペシャルだけれど久しぶりに復活して嬉しかった。
向井理さんがカンボジアへ再会の旅。
地雷の除去作業を仕事にしていたビン・ティアさんのお宅を探し再会を果たすのだが、前回マンゴーの種を植えて帰国した向井さんのマンゴーは、何とか一本育ってはいたけれど、水不足で発育不全、そこで井戸水を掘り当て家族にプレゼントという、最高の展開になっていました。
向井さんの人柄か、ブランクを吹き飛ばすように再会後も本当の家族のように加わり、一生懸命さがとてもよく伝わってきました。
私もマンゴーを味わう向井さんの姿に感動していました。
内山理名さんのセルビアの旅も素敵でした。
震災後の収録だったのか、向かい入れた家族の方も日本のことをとても心配した様子でした。
自給自足を実践して生活するセルビアの人々は優しく逞しく、日本人にはない、生きていく力強さを感じました。


震災後なので、どの局も工夫して番組制作に取り組んでいます。
一番多いのは歌謡番組で(それにチャンネルを合わせているから、そう思うだけかもしれない)、本当に聴かせてあげたい人に届くのだろうか・・・大勢の方が集まる避難生活の中では、テレビを観る余裕など今はないだろうに、と思ったりもします。
それでも日本中が不安な空気に包まれているなかで、元気のでる歌を意識して構成されているのは、ACジャパンのCMのように気持ちが落ち着くし、やりきれない気持ちを変に逆なでされるよりはいいのかも。
それにナツメロが多くベテラン歌手たちが被災地へのメッセージを交え気持ちを込めて歌っているから、とても惹きつけられる。



そう言えば、震災のあった翌日だったか、いや一週間を過ぎていたか、あの衝撃の映像に身も凍るような思いを持ちながら、どうすることも出来ないままに仕方なく台所に立ち家事をしていたところ、ラジオから坂本九ちゃんの「見上げてごらん・・・」が、本人の声で優しく流れてきて、急に人目もはばからず(一人だけれど)声をあげて泣き出してしまったのでした。
歌にはきっと気持ちを解きほぐす力がある、時には泣くことも気持ちを吐き出すのにはいいのだろうと思います。


何かの拍子に優しい言葉で語りかけられると嘘のように涙が溢れることがあるのも、多分それまで抱えていた感情が一気に開放された時なのだと思う。
しかし本当に声を出して泣きたいのは、大切な家族や友人を一瞬の間に失い、それも多くの犠牲者が出たところで我慢している人々だ。
避難生活の中では大声をあげることもできないし、きっとザワついた空間のなかで悲しみに浸るなんてことも二の次になっているかもしれないと思います。
張りつめた感情を解きほぐすのは、誰かに話をすることも大事なことだし、いったい落ち着いて歌を聴けるような気持ちになるのは何時になるのだろうか。
時々インタビューに答える被災者さんを見ていて、涙を堪える表情をされていて胸が痛くなります。
時間が経つと無くなるというものでもなく、心の奥深いところに悲しみを閉じ込め今を生きているのだと思います。
自分の悲しみの体験を少し重ねて、私は音楽を聴いて気持ちを整えているばかり。