容態悪化

今日の午前10時半頃に病院から電話あり
呼吸が弱く危険な状態だということ
詳しいことは病院に来てもらってから説明しますと
取るものも取り敢えず病院へ向かった




お爺ちゃんは移されナースステーション横にある病室のベットに寝かされていました
昨日まで酸素吸入は鼻からチューブをおかれているだけでしたが、今日は酸素マスクがかけられていた
お爺ちゃんと呼ぶと返事をして此方に目をやり振り向こうとする
力は弱くしっかり振り向くことができない
痛いところはない?しんどくない?と聞くと首を横に振り何か言おうと唇が動く
マスクに耳を当てて聞いてみるが何を言いたいのか分からない
何か欲しいものはない?というと又首を横にふる
ここ何処か分かる?と言うと頷き笑ったように見えた
少しの時間が経つと寝てしまう
肩を軽く叩き「お父さん」と声をかけてみる
薄眼を開けて天井をジッと見つめている
眠るのが良いね、気持ちが良いよね
楽しい夢を見ないとね




先生からの説明は、非常に良くない状態であること
ADL(日常生活動作)の低下、食事を摂取することもできない状態なので腎不全、肺炎などなど心臓の持病もある
回復の見込みがない
肺に水が溜まった時から老衰は既に始まっていたのだ
要するに多臓器不全の状態なのかも




これから問題になるのは心肺蘇生・延命治療を行うかどうかということ
此処に向かう時から答えは用意していた
これ以上の苦しみは避けたい、今までお爺ちゃんは十分過ぎるくらいに痛みに手術に耐えてきたと思う
意識のない状態での延命措置は望まないだろう
圧迫骨折があってからみるみる容態が悪化してしまった
その時に自宅療養にしたとしても今の状態を避けることはなかったでしょうと、先生が私の後悔を覆すように言う


現実を受け止めなければならないと思う
自然に老いて死期がやって来たということ
今日のお爺ちゃんは辛そうではなく穏やかな顔をしていた
何かやり残していることがあっただろうか
退院してすぐに温泉に行きたいと言ったことがあった
いいね、どこの温泉にしようか?九州?
九州はいいところない、北海道のなんて言ったかな?
北海道?定山渓?そうそう、そこへまた行きたい!早く元気にならなきゃなあ〜と
お爺ちゃんは定山渓へは行ったことがない、洞爺と勘違いしている
何処でもよかったのだ、その時は元気になって温泉に行きたいって思って気持ちがずっと前向きだった
まだまだ死なないって、私も思っていた



お迎えがそこまで来ている
私にもこうしてお迎えがやって来るのだろうか
こんな風なのがいいね、それまではゆっくりと楽しい夢を見ていようよね