命拾い

hitto2014-02-02

夜中から降り始めた雨が朝にはあがり、正午になると晴天になりました。



昨日、お爺ちゃんが入院しました。

いろいろ考えると、本当にお爺ちゃんは強運の持ち主だと思いました。



金曜日のデイサービス、ときどき頭が痛くなると訴え、午後から横になっていたそうです。

病院へ行く?と聞いたときには、頭が痛いのは直ぐに治るから、と言って病院でこれ以上検査するところがないし・・6日は月に一度の定期検診があって、その時にK先生に相談しようという、そんな気でいたんだと思います。

私も、その医院には心筋梗塞カテーテル検査を担当してくれたK先生がいて、これまでの病歴を知っていて一番の理解者ですし、それまでの辛抱と思っていました。


そのK先生は、総合病院の循環器の先生で、週に一度だけ近くの内科医院に来てくれ、爺ちゃんを診てもらっているのです。



そして土曜日の朝、やはり頭が・・といって塞ぎこみ
「病院行く?」と言うと、お爺ちゃんは
「入院できないかな?」と。


私は「じゃあ、病院へ行こう」と言って行きました。

10時過ぎ、循環器の外来は特に混んでいて、胸部レントゲン、心電図を診察の前に受け、いざ診察までには午後の2時を過ぎていました。

実際に発作のような頭痛を私はこの病院に来てから始めてみました。


「ああ、来た来た・・・う〜ん」と自分の頭を押さえる
「大丈夫?」と言うとすぐに治まるらしく、「大丈夫や」と。


やっと診察の番が来ました。


K先生はこっちの病院まで来たお爺ちゃんを見て少し驚いた様子で

「どうしました?」と、お爺ちゃんに変わって私がこれまでの経過を話し、本人が入院を希望していることを話しました。


これまでも便宜を図ってくれたことがあって、私も不安症なら尚更入院させたいという思いが強く、無理を言いました。

診察前のレントゲン、心電図の結果をみて、若干の不整脈はみられるも特に異常はなさそうで、お爺ちゃんに聴診器をあてながら先生は少し考え、病室に空きがあるのか看護師さんに確認し、お爺ちゃんに
「入院して、カテーテル検査をしてみましょう」と。

カテーテルは入院の口実のように思っていましたし、先生もそうだったと思います。


診察中に先生の前でもお爺ちゃんは

「来た来た・・」と
「頭がカアっと熱くなって目の前が真っ暗になる。先生、何なのでしょう?脳に何か異常があるのではないですか?」と。


「脳の検査は僕には分からないので、入院して診ていきましょう」
兎に角入院が決まって、お爺ちゃんは「良かった」と心底安心したように涙声で言っていました。


「こうなれば、カテーテルでも何でもする、その方が安心だ」と。


善は急げと、入院はその日のうちに決まりました。

入院の前に血液検査、心電図、エコーの検査を受けました。

そして最後のエコーの検査の時に、頭痛の発作が何度か起きて、その時にお爺ちゃんの心臓が4秒ほど止まってしまうのを確認したそうです。

待ち時間が長く、同じ姿勢で座っていたし、疲れと空腹といつもより発作が頻繁に起こるようになっていました。

検査が終わり外来の待合室へ行きました。

そこでお稲荷さんとお茶を頬張り、入院部屋に入る前に、入院支度のため、一度家に帰りたいとお爺ちゃん。

ところがそこへ、K先生が走って現れ、呼びとめられました。

今さっきの検査中に、心臓が4秒ほど止まり、K先生は検査技師さんに呼ばれたそうです。

「今スグにペースメーカーの応急処置を行い、来週に埋め込みのペースメーカーをします」と。


「え?え?」


「先生、それで頭が痛くなったのですか?転んだのもそのせいでしたか?」

「そうでしょう」と。

「応急措置で付けるペースメーカーは30分ほどで手術は終わりますから、埋め込み用のペースメーカーにすると10年は保障できます、だから100歳まで生きますよ」と。

「お爺ちゃん、ペースメーカーを付けたら100歳までいけるって」
お爺ちゃんは、それよりも頭痛の原因が分かってホッとした様子で、これまでの危険だった状態を思い出していました。

もしや明日をも知れぬ命だったか、今頃ここに辿いていなかったら・・検査中に発作がなかったら・・
なんと運の良いことでしょう。

「此処に来て、命拾いをした」
と、感謝感謝の一日でした。


お爺ちゃんが応急措置のペースメーカーを付けて現れ、病室に案内されたころには、どっぷりと陽が落ちていました。

もうひと踏ん張り、入院の書類とその支度をして病院から出てきたのは夜の8時過ぎ。


そしてまた、これからお爺ちゃんの入院している病院へ、細々した忘れ物を届けに行って来ます。




読売新聞  日曜版
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