旧友・・・

hitto2008-03-14

昨夜は何となく空気が生暖かく、真っ暗な空からでもどんよりとした空気を感じていたら・・・案の定予報通りの雨が降り始めました。
今朝は強風、横殴りの雨でした。
お昼近く、外の雲は晴れ明るい青空が覗き始めました・・・外へ洗濯物を並べても良いのか思案のしどころ。


今日の朝刊(読売新聞)2面「顔」のところで清水博正君が紹介された記事が掲載されていました。どんどん有名になってきました。
嬉しく読みながら、私のところにコメントして戴いた清水君が、遠い存在になっていくような、寂しい気持ちもどこかにあるのかもしれない。
でもやっぱり嬉しいです。一人でも多くの人に清水君の歌声が届くようにと祈っています。


一緒に温泉へ行った友達は、10年前(もう10年になる・・・と本人も感慨深く言っていました)
突然、「乳ガン」と診断されて、私の知らない「死の淵」に立たされたわけで、その時の心情は想像すら出来ないでいます。
友は、「乳ガン」と診断される前に、同じ病名で実のお姉さんを亡くした経験をしていました。
「乳ガン」イコール「死」は確実に友を脅かしていたのだと思います。

その経験から、友はガンのできた側の乳房を全部切除したのです。
その時の彼女は、少しも乳房温存を・・・とは考えていなかったようです。
それからリンパ節を含むわきの下の脂肪組織も切除、何年かしてもう片方にも癌が見つかり乳房を全部切除してしまいました。
私が知っているだけで3回は入院手術を繰り返しているのでした。
お姉さんのことがあって、返って潔かったのでしょう。
それにお姉さんの分も長生きするのだと強く思っているし、亡くなったお姉さんに守られているようにも思えます。


最後の手術から丸三年が経過、異常もなく今回の旅行となりました。
温泉は彼女の方が言いだし、もう何度も大衆に混じって温泉に入浴しています。
わたしは、その彼女の前向きな振る舞いに沢山の励ましと元気を貰っています。
おおっぴらに見せてはいませんが、タオルを上手に使ってしずしずと入浴します。大衆の目に触れては可哀想とは・・・私の一人相撲でした。
好奇の目は私の中にあって、彼女の中ではそれより温泉に浸かり友と他愛のない話しをする方が楽しいことだと、思うことが出来るまでになったのでしょう。

同じ病に苦しむ友も得て、乳房のひとつやふたつ(って二つしかないですが・・・)鏡に写る自分の姿にも見慣れてきたのかもしれません。
この歳になれば、乳房があろうが、引力の法則にしたがって全てがだらしなく垂れ下がるもの、鏡に写る自分の姿なんて殆ど見たくないものです。
その点は同じとは言わないまでも似たようなものです。

もう一人の友達も実のお姉さんを癌で亡くしていますので、互いに若くして辛い経験をしていたことになります。
それでも、あまり病気の事には触れないでいたので、本当のところは私なんかが理解できるものでもありません。
ただ同じ部屋で寝て着替えて、何も意識するでもなく、当たり前に振る舞えたことが嬉しかったのでした。
そして元気に今こうして生きていることが何よりの喜びなのです。
胸のことより、専らお腹まわりの話しに花が咲きました。

ただ自分の身体にメスを入れ傷ついた以上に、彼女が傷つかないように、いつも笑顔で暮らせるようにと願うばかりです。


私とその友二人は、小学3年生からの付き合いです・・・あれから何年?なんて計算もしたくなくなりましたが、その後も結婚してからも付かず離れず親交を深めてきました。
特に中学校での話し、20歳前後の恋愛話は、今だから言える話だったり、記憶も朧気ながら笑いが絶えません。
帰って来てからも、記憶を遡り次回までの宿題として思い出しておこうと互いに約束していますが・・・その約束さえも忘れかねない御歳・・・きっと又一から思い出すのでしょう・・・それも楽しや。