「60歳のラブレター」

hitto2009-05-18

YOMIURI ONLINEのニュースを読むと新型インフルエンザの国内感染の拡大は、もう留まることをしらない。
私の住む近畿に広がり、大阪府下の高校はもちろん、中学校、小学校も1週間の休校となるらしい。
今さっきお隣の女子高生が帰宅、話によると今日から1週間は自宅待機という。


まだここの小学生、中学生は登校しているけれど、多分明日から休校、どっちにしても時間の問題かもしれない。
目に見えない菌が不気味にこの地を覆い隠そうとしている、好天の道を行く人は皆マスクでうつむき、自分可愛さのあまり話しかけることもできない・・・なんてことになってしまうのだろうか。

コンビニや銀行の窓口女子工員さんまでかかってしまったというのだから、貰った方もご愁傷様で、不特定多数の人にもう感染している可能性があるということ。
ここまで来たら人数を数えるのは至難の業。
潜伏期間の行動まで思い出すことさえ虚しい。


昨日は、善は急げと久しぶりに映画館へ行って来ました。
映画は「60歳のラブレター」昼過ぎの上映で座席はほぼ満席。
前日の予約で後ろから3番目辺り真ん中の席に座りました。
ほとんどが団塊世代前後・・・お隣に座った婦人は始めからマスクを着用、私もバッグにマスクを忍ばせてはいたが、マスクをする息苦しさに耐えることができずに、そのまま観ることに。


お隣の婦人は、時々マスクを顎まで下げて持っているポップコーンを口に入れている。
時々せき込んで止まらない。
ポップコーンにむせているのではなくて、風邪ひきの痰を出されてチラッと顔を傾ける。
折角のマスクをわざわざ外してせき込むので、私は映画に集中できないでいました。

新型だって、まだここまでは来ないだろうと思いこみ、たかが風邪で異常な反応をしている自分。
やはり臆病な人間なのだと思います。
自分でマスクをしなかったのは、全く無防備なことで、かかってしまったらかかってしまった・・で、仕方がないが責任は私にあります。
隣の婦人の前で、これ見よがしにマスクを着用するのは失礼なことか・・・と、躊躇したのは自分の弱さで、ただただこのまま新型なんてことがありませんように祈ります。


「60歳のラブレター」
出演は、中村雅俊さん、原田美枝子さん、井上順さん、戸田恵子さん、イッセー尾形さん 、綾戸智恵さん、星野真里 さん、内田朝陽さん等々。
中村雅俊さん、原田美枝子さん(元)夫婦を軸に全く異なる人生経験を重ねてきた、もう二組のカップルと夫婦。後半泣きどころが沢山あって、思わずハンカチを眼頭にあてたのは、病室に響きわたるビートルズ「ミッシェル」イッセー尾形さんの歌声・・・昨日はずっと頭で「ミッシェル」を歌っていました。


自分たち夫婦と重なるのは、雅俊さん演じる家庭を顧みなかった夫と専業主婦を献身的に務めた妻ではなく、イッセー尾形さんと綾戸智恵さん夫妻。
こちらを軸にしても良かったと思えるくらい。


井上順さんと戸田恵子カップルは、ドラマチックな展開で、このカップルまとまるのかな〜なんて思っていましたけれど、どうも研究ばかりしてきたお医者様というイメージが井上順さんにはなく、どこかで受け狙いのギャグが出るか、なんて私には思えてしまい残念なところ。
若い監督さんは、そうは思わなかったのかもしれない・・・。


自分の生い立ちを語るナレーションが、短いながらもしみじみと時を感じ、人生の不思議さを思う。
幸せの形はそれぞれ違うけれど、寄り添って生きることとは、恵まれた素敵なことなのだと団塊世代よりも若い人たちに見せたい映画という気がしましたが、題名が「60歳・・・」じゃ見ないだろうし退屈なだけかもしれない。


60歳には、まだもう少し時間がある・・・けれど、きっとラブレターなんて書けないし貰えない。
ただ、このまま自分に正直に向き合って暮らしたい。
もしかして熟年離婚なんてことがあるかもしれない・・・時々そう考えて暮らすのは、根性悪の自分を時々リセット出来て悪くはないだろう・・・。