映画「BECK」2010年

hitto2011-02-07

午前中、映画「BECK」を鑑賞、とても得した気分。
息子がDVD返還する前に、ちゃっかり観てしまいました。
ホンの暇つぶし、ながら仕事で、気持も正面に向いていない、何と不真面目な鑑賞、今時のナイスガイ、イケメン俳優が揃って出演している(水嶋ヒロ佐藤健向井理桐谷健太‥など)。
内容、原作漫画も、全く知らない私、イケメン揃いと言っても、もの凄く誰かのファンと言うことでもなく、息子がどんな映画に興味があるのか?何が面白いのか?水嶋ヒロ君の最後の作品になるのかな?と言う程度で、全くもって、映画のタイトルさえも見ずにDVDをレコーダーに乗せていた。


それがそれが、理屈抜きでとても面白かった。
ジャンルはやはり音楽ピカイチ、俳優陣はギターと歌のプロではない・・しかし、スクリーンから迸る音は本物です。


苛められっこのコユキ君の声だけがオブラートに包まれ想像の世界。
その演出に私は拍手!
私はすっかり騙され魅了されている。
自分の理想の声に仕上げてしまっている。
想像して、いつしか目を閉じ歌声に陶酔しきる観客になっていた。
多分漫画を知っている人は漫画を読みながら、どんなにか素晴らしい声を想像し、読み進めたのに違いない。
雄馬が消える魔球を投げた時のように、それを観て聴いて感動のなかに身を置く。
各自の理想の声があって、興醒めすることがあったら台無しだった。


この映画に期待していたものは大きかっただろうが(私も最後には聴けるだろうかと期待していた・・)が、エンディングのオアシスの「Don’t Look Back In Anger」で充分映画の余韻に浸ることが出来ていた。
きっと各自の胸のなかにあるもので良いのだと思う。
私は当然アート・ガーファンクルの最盛期の声、うっとりするような、そして力強い声をコユキに重ねていた。馬鹿みたいだけれど、私はそんな感じだった。
観る人によって感じることは違うだろうし、私は大満足だった。


エレキギターにハマる少年は観るところが少し違うだろうなぁ。
バンドに夢中になっていた時期のある息子は理想の漫画だったようで、カッコよさを追及して遂には行き詰ったようだから、現実とのギャップを知る歳になったということか。
音楽が世界を変えるかもしれないと劇中で言っていたが、世界を変える前に個人を変える。
漫画や映画にもその力があると思う。
なにより子供達の観るもの聞くものがどんな形で将来に大きな影響力を与えているのか、どれ程のものなのか、全ては未来に繋がっているものだと思うから。


最後の分裂解散しかかったメンバーが一人、一人、メンバーに戻って加わり気持を一つにして演奏する、私は静かに鑑賞しながら気持は最高に盛り上がっていた。
桐谷さん演じる千葉ちゃんのラップは玄人はだし、バンドメンバーのノリも完璧でカッコ良かったぁ。
メンバーの個性がしっかりと、そして生き生きと描かれていて、脇役も如何にもという配役が嬉しい。
このバンドメンバーとのまたの出会いを楽しみにしている。
それぞれに活躍の場を広げていってほしい。
しっかりとファンになってしまったか。
ギターの音色に魅了され異次元に入り込んだような錯覚、仕事そっち退けで引き込まれました。