家族

hitto2011-05-30

5月の梅雨入り、5月の台風と、今年は異常な気候に対して文句を言わずに向き合う姿勢が出来ている。
自然に対して人間はあまりにも小さな存在、その存在を確かめあう意味でも生きている者同士が助け合い励まし合わなければ・・・と、思うこの頃です。


昨日は、お爺ちゃんの卒寿(90歳)のお祝い、自分でも90歳という年齢に達するなんて70代の頃には思ってもみなかったと思います。
血圧が高く、腎臓疾患にあって入院をしたり、76歳の時には心筋梗塞九死に一生を得ました。
80代に入って目の上に癌細胞が見つかり除去手術、85の時には肺がんか、結核か、と騒ぎ結局、結核で3か月の入院。
更に87歳には頸椎の手術と、ほぼ半年間の入院と辛いリハビリ生活、寝たきりを覚悟していたと思います。
それが立つことまで出来るようになって退院、不屈の精神です。


介護認定がされてから、今日に至るまでデイサービスを受けることになりました、そして今が一番表情も穏かで、毎日を楽しんでいるように見えます。
なぜなのか?
きっと楽しいことが沢山あるのだと思います。


還暦の頃まで、お爺ちゃんは御近所の方が敬遠するくらいに気難しく、人懐こい義母を訪ねては義父の姿が家の中に見えると、すぐに(御近所の方は)退散すると義母から聞かされていました。
それまで義母とは全く正反対の性格だったのです。
それが、それが、お喋りが好きで、誰彼かまわず話し掛けたりする。


それに意外にもカラオケが大好きということがデイに通いだして分かりました。
それに、脳トレにも意欲的。

何より健康体操に付き添って下さる看護師さんとは、絶大なる信頼関係が築かれているようで、毎回脳トレの問題も出していただける。
週3回のデイサービスは、お爺ちゃんの生きていくハリになっているのだと思います。
私も、お爺ちゃんがデイに通うようになってからは、気持ちのゆとりができ、イライラすることが少なくなりました。
今が青春と言うのも分かる気がします。


死の恐怖を人一倍に感じる人だったのですが、体調管理に自信を持って悩まず、今は身体以外のことに興味が向いているようです。

そして昨日の一大イベント。
東京に行っている長男が、約半年振りに夜行バスの往復で半日だけのとんぼ返り。
立役者は長女、ありがとうね。
お陰で家族6人、昔のように顔を揃えました。
それぞれの表情に胸を熱くし、眩しいような、まだまだ未熟というような、それでも互いに興奮気味に近況を伝え合いました。
お爺ちゃんもこのサプライズには、大喜びしていましたが、私が一番喜んでいたのかもしれない。


家事は大変だけれど、大変なことを楽しくさせてくれるのが家族なのだと思いました。
この先、家族の形態がどんなに変わろうとも、共有した時間が思い出になったとしても、互いに顔を合わせると気持ちが通い合い、支えあえるのだと思います。
母の遺言のような「姉妹、仲好く」の言葉をそのまま「姉弟仲好く」と、子どもたちにも言い残そうとつくづく思います。
まあ、この先、どんなにか長く、いったい何が起こるかも知れませんが、何一つ争うことが起きなければ本当に良いと思う。