世界選手権、男子ショート

hitto2012-03-31

世界選手権、男子ショートは、高橋大輔選手が 85.72点で3位につけました。
結果は3位の高橋選手ですが、演技の上ではダントツだったと私は思いました。

4回転を成功させたことも凄いですが、見せ所は他の選手とは次元が違うところにあって、兎にも角にも惹きの魅力のあるステップに、私は遂にやられたという感じがしました。


四大陸はどうだったんだろう?
今回ほどの惹きは感じられなかった。心情がそこまで入りきれなかったというだけのことだったのかもしれない。


今回の選曲には好き嫌いがあるかもしれないが、私はリズムの波動に突き動かされるような今回の曲が好きです。
フリーの曲は、もっと好きなので今夜のフリー演技が物凄く物凄く楽しみです。
しかし今回の高橋選手、ステップに磨きが掛かったというか、あれ程に身体の動きとリズムを一体化させていたことに感動、動作が一瞬止まるとグッと動きに入る絶妙なタイミング、一時も目が離せませんでした。


優れた感性の持ち主とは以前から思っていたけれど、今回は実に完璧だった。そのせいか誰よりも迫力が感じられたし、これはちょっとPチャンには出せないものだよね・・と、冒頭から褒めまくる私は、いったいどうしちゃったのだろう。
冷静になれないくらいに入り込んじゃった?
冷静に、昨日を振り返ってみよう。

男子ショートの始めは、16番滑走のブライアン・ジュベール選手。
地元フランスの大声援の中で登場。
ブライアン・ジュベール選手にとって良い緊張感があったよう見えました。
4−3と着氷は危なかったけれど成功をさせると一気に盛り上がりました。
3A成功、3フリップで両手がつきましたが 観客に向けて手拍子をすると会場から凄い歓声が沸いてノリノリでした。
演技後のガッツポーズに本人の満足度の高さが伺えました。
完璧とはいかないまでも、大きなミスもなく4回転の成功者。
高得点の83,47点です。



佐藤有香コーチがCMのように取り上げられ、アメリカのアダム・リッポン選手の番です。

話は逸れますが、男女ともにアメリカ勢が奮わず心中穏やかではありません。

来年の出場枠がかかっているし、何とかフリーで奮起してほしいものです。



アダム・リッポン選手、4回転は回避、3−3を無難に成功させ、3Aでお手つきをしてしまいました。
次の3ルッツではバランスが揺れ両手を上げるポーズもとれなくなり、ちょっと残念。


さて、こんなに早く大本命のパトリック・チャン選手。
狙うは2連覇ですが・・・冒頭の4−3のコンビネーションは、またしても単独の4回転に、上体が沈んでしまいました。
3Aはお見事、3−3のコンビネーションを最後につけて、この辺にも抜かりがありません。
ところがステップにミスが、よろける様な場面があって、これはいくらチャン様でも得点は微妙だろうと思いました。
私の基準は、ジュペール選手。どっちが上という単純なもの。
ところが、技術点も演技構成点もジュペール選手よりもかなり上の採点。
暫定トップです、これはちょっと、ジュペールファンは文句を言いたいところだろうなあ、と勝手な憶測。



次に、イタリアのサミュエル・コンテスティ選手。
コスチュームは上着は黄色、下が赤という派手な組み合わせですが、底抜けに明るいイメージ、人気のあるベテラン選手なので最初から手拍子をもらっていました。
元々はフランスからの出場を求めていたそうですが、今はイタリアの選手。
観客が温かい。
4回転は回避、3−3はバランスを崩しましたがなんとか成功、3Aも危ないところでした。
最後の3フリップはクリアに決めました。暫定5位という成績。



次の21番滑走は、チェコミハル・ブレジナ選手。
なんて言ったって、日本の太鼓のリズムが嬉しい。
それに男前、地味に実力を付けてきた選手という気がするのは私だけかな。
表彰台がもう一歩なのだ。
クワドも珍しく最後に飛んでくるという、おそらくかなりの自信家という気もする。
最初に飛んだのは3A、私のメモには2重丸が書かれている。
3−3のコンビネーションも着氷、そして3つ目のジャンプが4サルコウ、着氷成功決めました、凄い歓声。
地元ファンが多いんだ。
しかもこの日が22歳の誕生日って、自分で引き寄せたハッピーなことこの上ない。
87,67点は、Pちゃんに次ぐ高得点で、とっても嬉しそう。おめでとう!



さて、前者の盛り上がりに、ちょっとやり辛いかな?と心配してしまう、我らが日本のエース、高橋大輔選手の登場。
GPファイナルと四大陸とPチャンに一番高いところの台を持っていかれている。
男子の選手は、我が子を思うように誰が一番とは考えずに平等に応援しているつもりでいたのですが、こうしてショートが終わってみると高橋選手に力が入ってしまいました。


冒頭のジャンプは4−3と思い切って飛んできました。
後のジャンプは勢いが弱かったのか回転不足でお手つき、3A、3ルッツは二重丸。
NHK杯では完璧な4回転を着氷して高得点を叩き出しました・・あのときの演技よりも格段に良くなっていると思いました。


次は、アメリカ代表のジェレミー・アボット選手。
今季全米王者に返り咲いた選手です。
4回転回避、3−3のコンビネーションでバランスを崩し転倒してしまいました。
回転の軸が乱れてしまいました。
すこし動揺した感じで、3Aは着氷、最後のジャンプで3ルッツの予定が2回転になってしまいました。



ここから最終グループ、テレビの画面がライブに切り替わったようでした。



最終グループの1番滑走者はロシアのアルトゥール・ガチンスキー選手、18歳。

羽生選手のよきライバル。
浅田選手もそうだけれど、グループ第一滑走はあまり良いクジ運ではないなあ、気持ちを静める間もなく演技に入るし、後者になって戦略を変えることもできない。思いきっていくしかない。


アルトゥール・ガチンスキー選手、昨年は銅メダルで羽生君の火つけ役になってしまい、公式戦の対戦は今季あまりよくない。
羽生選手のほうがメンタル面は強そうな気がします。今季だけかもしれないが・・。
最初のコンビネーションが2−2になってしまい、大きなミス。
3A、3ループは着氷しましたが、演技後かなり悔しそうな表情で自分の頭を叩いていました。
完璧を目指していた分、ショックが大きい。



次の選手は、フランスが誇るエース、フローラン・アモディオ選手。
サルコウ転倒してしまった。
3−3は成功、3Aはお手つき?か、転倒にはならなかった。
複雑なスピンは健在、後半になるにつれスタミナが不足したのかな、切れ味はもう一つという感じがしました。
クワドの転倒が響いたのかもしれません。


いよいよ日本から羽生選手、小塚選手が続いて登場します。
この時点で、ノーミスの演技ならばトップに躍り出ることも可能な範囲、意識し過ぎたのかもしれない。



27番滑走、羽生結弦選手。
4−2のコンビネーション、着氷。凄い凄い!
力強い演技で感情がそのまま表現力に結びつくような凄さを感じます。
ハラハラ見つめていましたが「あああ・・」3ルッツが1回転に、いい調子だっただけに、とっても残念でした。
緊張しないほうがおかしいくらいの初舞台だもの、よく頑張ったと思います、立派!


続いて、小塚崇彦選手。
昨年は銀メダル、今年は・・とあまりに激しい失敗だったので、ただ気持ちが途切れなければいいなあと思います。
逆に居直り姿勢が功を奏すかもしれません。フリー負けないで。

クワド転倒、3A転倒、3−3はすこしバランスを崩しながら着氷でジャンプに関しては残念な結果でした。
こういうときは得意なスピンも霞んで見えてしまいますが、ジャッジの判定は、スピンは全てレベル4と出されています。



だんだん、私の肩が凝ってきました。
「よくやるね〜」と、お褒めの言葉を次男からもらいつつも、無視しています。呆れられています。


次はスペインのハビエル・フェルナンデス選手。
オーサーコーチに変わって、GPシリーズでは、ばんばんクワドを決めた選手。

今回は、4回転を見事な着氷とまではいかず、危なかったけれど着氷。
3−3は、お見事。
3Aはバランスを崩しながらの着氷。
この選手、バックに進むときのポジションがあまり良くない気がします。
本人はガッツポーズで終えましたが、かなり怪しく私は首を傾げていました。
ガッツポーズもアピールする手段なのかな。



最後の滑走者、チェコトマシュ・ベルネル選手。
もうベテラン選手です。
最初のクワド失敗、2回転になってしまいました。
3Aはクリア、3−3は危なかったけれど着氷。



男子ショート結果
1: パトリック・チャン (カナダ) 89.41
2: ミハル・ブレジナチェコ) 87.67
3: 高橋大輔 (日本) 85.72
4: ブライアン・ジュベール (フランス) 83.47
5: ハビエル・フェルナンデス (スペイン) 81.87
6: フローラン・アモディオ (フランス) 79.96
7: 羽生結弦 (日本) 77.07
8: デニス・テンカザフスタン) 76.00
9: ジェレミー・アボット (米国) 74.85
10: アダム・リッポン (米国) 73.55
11: サミュエル・コンテスティ (イタリア) 73.55
12: ケビン・レイノルズ (カナダ) 72.95
13: 小塚崇彦 (日本) 71.78
14: トマシュ・ベルネルチェコ) 70.38
15: 宋楠 (中国) 69.58
16: アルトゥール・ガチンスキー (ロシア) 68.50



今夜の男子フリー、滑走順
第2グループ
7 小塚崇彦 
8 ケビン・ヴァン・デル・ペレン BEL
9 トマシュ・ベルネル CZE
10 ナン・ソン CHN
11 セルゲイ・ボロノフ RUS
12 アルトゥール・ガチンスキー RUS

第3グループ
13 アダム・リッポン USA
14 ケヴィン・レイノルズ CAN
15 デニス・テン KAZ
16 ジェレミー・アボット USA
17 羽生結弦 
18 サミュエル・コンテスティ ITA

第4グループ
19 フローラン・アモディオ FRA
20 ブライアン・ジュベール FRA
21 ハビエル・フェルナンデス ESP
22 高橋大輔 
23 ミハル・ブレジナ CZE
24 パトリック・チャン CAN

最後の最後まで目が離せません。