「モーリス」 1987年英国

hitto2012-07-07

今日は七夕、今夜の空模様はどうなんだろう?
夫君は土曜日出勤、何やらイベント会場へ。


昨日の日中はパラパラという感じでずっと雨が降っていたけれど、丁度おじいちゃんがデイから帰って来たころからは土砂降りに変わり、それが朝方まで続いていました。
深夜になってから、雷が落ちドンという音に何度か起こされた記憶が・・。

昨夜から中国近畿のアチコチで河川の増水や道路の浸水、突風に雷、どこかで竜巻という注意報もあったような。
朝方になりほとんどの警報が解除され、今は道路が少しづつ乾いてきています。
七夕飾りの願いごとが雨に流されそうで泣きそうになる。


昨日は接骨院
帰り道の商店街には地域の幼稚園、保育園、小学生が作った七夕飾りが飾られています。
願い事のどれもが可愛らしく微笑ましいものでした。
みんな願いが叶うといいね。

さて、今日も映画の感想をチラッと残しておこう。
「モーリス」 1987年イギリス映画 

またしても、学生を主人公にした映画。
もう25年も前の映画で、大変話題になった作品らしいが、私は全くどんな映画かも知らずに観ていたので、兎に角ビックリでした。


舞台はイギリス、しかもこちらも超エリートのケンブリッジ大学
冒頭の海辺のシーンがおかしな感じだったので、純愛ものかと思いながら観ていましたが、純愛と言えば、確かに純愛で・・ただし同性愛だから、かなり戸惑います。

今でこそ、珍しいことではないのでしょうが、同性愛がどんなものなのかという興味は持てても、そこへ身を置く者でなければ本当の意味で理解するのは難しいと思います。
けれど、なんら男女の恋愛と変わるものではないと、一度納得させてしまえば、それはそれで主人公モーリスの気持ちに近づくことができ、スっと感情移入することができてしまう。


時代が1909年のことだから、今から100年も前の話し、日露戦争が終わったあたりか。
イギリスが同性愛を犯罪と扱っていることにまず驚きました。
これは、抑圧されて尚更燃え上がるものだろうか?
しかし捕まってしまうと悲惨なことになります。
自分ひとりの問題ではなく家族や親類にまで迷惑を掛けることになる。
しかもケンブリッジ大学の優等生ですから尚のこと。


それが性なら、誰が禁じられようか・・と、今の時代だから当たり前に思うのですが、果たして・・今の時代でも衝撃は大きいものだと思います。
当時は規則にまでなっているのだから、同性愛者はどこかでモラルに反する罪悪感に苦しめられている。
モーリスの相手、クライヴ・ダーハム(ヒュー・グラント)若い、とても生き生きとして輝いて見える。
友情という一線を或る日突然越えてしまい、相思相愛を確認し二人の秘密の関係を続けなければいけないので、より一層激しさが感じられます。


或る日、クライヴは同期の友人が同性愛者であることがばれて逮捕されるのを見てから、自分は進められるままに他の女性と結婚してしまう。
なのに、モーリスはクライヴの別荘へ滞在したりするのだから。
もうこれは、生き地獄、結婚相手の女性との三角関係というか、それよりもモーリスの気持ちを考えると悲惨な状況。


クライヴは、モーリスにも普通の結婚をと望んでいる素振りだったけれど、友情と恋愛と、どちらともつかない感情が見え隠れしていて、より残酷な立場に追いやられているモーリスが不憫になってしまう。
次第にクライヴに対する愛情も冷め、モーリスは新しいパートナーと出会う。


そして同性愛を罪としているイギリスでは暮らせないと、海外へ旅立つことになるのですが。
この時に感じたのは、クライヴの気持ちが複雑に絡み混乱しているのではないかということ。
それまではモーリスを気に掛け友情に変えていこうとしていますが、心の中では愛し続けていたのじゃないかと思う。
結婚相手の女性には、誠実に愛情を注いでいたけれど、こちらは誤魔化しの現実で、理想はやはりモーリスとの繫がりだった気がする。


兎に角、全編写される映像が素晴らしい。
モーリスもクライヴも男性でありながら女性とは違う美しさを感じてしまう。

それにイギリスの郊外といい、ケンブリッジ大学という格調高い建物も、女性の衣装も何か全て日本とは違う別世界のような感じがして、それだけを観ていても楽しい映画でした。