赤とんぼ〜「舟を編む」

hitto2012-09-05

9月に入って今日で5日目、紙に日付を入れようとしたら、まだ8月と書いてしまう自分がいて、もう笑うしかないです。
時間にも流行にも取り残された感甚だしく、時差に追いつこうとグズグズしてしまう。
以前ほど約束事が少なくなったっていう事情はあるけれど、カレンダーに書き込んでいる予定くらいは忘れないようにしよう。
曜日はピッたしなんだけれど、ほとんど条件反射の範疇です。
明日はお爺ちゃんの病院。

今朝の新聞に「学ぼう」読売受験サポートというページがあって、日本語についての詳しい解説がされている。
今週は「故郷」の歌詞にある「うさぎおいしかの山」の「おいし」は「追いし」と書き「おいしい(美味しい)」という意味にあらず「追いかけた」という意味だということ。
勘違いする人がいるとしても「うさぎを食べてしまう」って解釈が180度違ってしまうのが面白い。


次に「赤とんぼ」の「おわれて見たのはいつの日か」。
「おわれて」は「追われて」ではなく正解は「負われて」。

背負う、おんぶされることで、こちらの方が誤解している人が多いかも・・って、私も「追われて」という意味で歌っていたか、背景や意味など考えずにボーっと歌わされていたかだ。
「負う」という、おんぶされて赤とんぼを見ていたなんて描写が目に浮かんだなら、もっと感情を込めて歌えたかも・・なんて40年以上も前の小学校時代を想い出して、笑ってしまいました。


「赤とんぼ」の歌は5年生か6年生か、朝礼の後に必ず練習させられたという、強烈な記憶として脳裏に深く刻まれた歌だったのです。

良い歌ではあったけれど、強弱をつけてと何度も注意を受けながら歌わされたので、天邪鬼な私はどうしてもこの歌が好きにはなれなかった。
担任の先生が、もともと音楽に力を入れていた先生だったので、あまりに何遍も練習させられ嫌気がさしてしまったのだと思います。

けれど今から思うと音楽に熱心な先生の授業のお陰で、歌や笛が好きになり、中学、高校と進んでからも、多少は自分の得意分野になっていたのではないかと思います。

こんなことを書こうと思ってはいなかったのに、出だしからかなり長文。

今日は姉さんに刺激を受けて、先週読んでいた本の感想をと思っていたのですが・・あれ、あれ。

三浦しをん作「舟を編む」が面白かったので、記録。

本屋大賞第一位の本で長男から父への贈り物。

読むほどに面白くて、異常に読むのが遅い私のような読者でも2日もあれば読んでしまえたという、稀にみる本でした。

何が面白いって、登場人物の個性が豊かで惹きこまれてしまう。
「大渡海(だいとかい)」辞書の編集に携わる人間模様と、時間の流れに沿い感情の変化が特に興味を惹くからだと思います。

辞書に載せる言葉の意味さえ考えるほどに多様な解釈がなされていて面白く、次から次へと時間を忘れて読まされてしまう。


それに辞書が出来るまでの過程や苦労など、これを読むまで知りようもなかったことばかり。
そして、まじめ(真締)君のキャラが浮世離れしていて、生真面目で朴とつとした人柄なのだけれど、本人が気付かぬうちに周囲の人間を動かしてしまう。

先輩の西岡さんは、真締とは対称的に軽薄な感じがして現代風な人なのだけど、何故かまじめ君との交流でとても良い先輩に思えてくる。
新人の岸辺さんも次第に上司であるまじめ君との信頼関係ができ、不向きだと思っていた職場の辞書作りという仕事に自信を持つようになって、とっても好感が持てたし、不慣れな仕事も、続けていればいつしか情熱を傾け自分の天職に思える日がくるのかもしれないと思わせてくれます。


もう一つ「ヌッポロ一番しょうゆ味」のインスタントラーメンが私には気になって仕方がなかった。
サッポロ一番をもじっただけなのか、コピーされた安物ラーメンなのか・・気になる。気になる。