映画「少年H」

hitto2013-08-16

昨日、終戦記念日
正しくは敗戦した日でしたが、この頃は終戦記念日と統一されたようです。



その終戦記念日の花火大会でまさかのガス爆発(福知山市の花火大会会場)
見物客の群がる屋台で起きた事故。

その様子がまるで焼夷弾でも落ちたかのように見えたのは私だけか・・丁度「少年H」の映画を観てきたばかりで、映像の生々しさが脳裏に焼き付いたままでした。
今思えば怖い夢を観てハッと身体を起こし、実はふわふわの布団の中に身を置いたままで、現実に安心した幼子のように映画館を出てきたけれど・・あれは夢でもなく68年前に実際に日本で起きた悲惨な戦争の一場面だったんだと。


そう思えば思うほど、恐かった感覚がニュースの屋台の事故と重なり、ビクビクしてしまいました。


事故も災害も、そして戦争も恐ろしい何かに攻撃を受け人は亡くなってしまう。
今も昔も未来に起こる恐ろしいことへの準備なんか完璧にできない。

「少年H」の感想。
あの時代の家族の絆を描いた作品という気がしました。
少年Hを演じた子役さんに拍手。


ただ、少年期の15歳までの演技は頑張り過ぎて無理があった気がします。
難しいことかもしれませんが、少年が本当に15歳になるまで後半の映画製作を延ばして欲しかったくらい。


この「少年H」は昔、テレビドラマでもやったと思うのですが、今も所々の場面を覚えているくらい印象に残る作品で、それで又観たいと思ったほどです。

お爺ちゃんがデイサービスの日で、ゆっくり映画館で観ることができました。



前半の小学生だったHは、サザエさん一家のかつお君のイメージ。
一言多いのと、悪知恵の働く憎めない少年という感じ。

母親役の伊藤蘭さんは自然体で、尚且つ厳しい母親を演じていました。

父親役の水谷豊さんは情も思慮も深く、家族を支える長としての優しさが滲み出ていて凄く良かったです。
ミシンの扱いもプロらしく研究されていました。


ただ、母親(伊藤蘭)の言葉にちょっと引っ掛かりを感じました。
Hを叱りながら「自分は仏教の家で育ったけれど、仏教徒は悪いことをすると地獄へ落とされる。キリスト教は懺悔をすれば許され皆が天国へいける・・」とか言うところ。

私は熱心な仏教徒ではないけれど、宗教も国も互いに尊重し合えるような世界が、戦争を起こさない理想の姿だと思うので、少し嫌な気持ちになったのは確かかな。



日本が戦争に突入し、益々庶民の発言の自由がなくなってしまう。
ましてキリスト教徒の踏絵みたいになるまで家族は追い詰められ、仲違いする様は苦しかったです。

あの時代の狂った世論に翻弄された家族は、誰もが苦悩しもがき、戦争に参加したどの国の家族にも起きたことなのだと思いました。


小栗旬さんと、早乙女太一さんとの絡みを、もう少し丁寧に描かれていたら良かったと思いました。


後半の空襲の場面は、映画館であるために迫力を感じました。

あの焼夷弾の数が実際に起きたことだと思うと、絶対に戦争を起こしてはならないと思います。



甲子園、沖縄尚学高校と青森の聖愛高校、4−3で聖愛が勝利しましたが、高校野球を観ながら、今の平和がずっと続くことを願わずにはいられません。