お盆です。

台風はどうにか、中心を逸れて行ったようで、まだ日差しは強く、雨なんか降りそうに無い。
セミの声が一際大きく、真夏を実感させる。
暑さに慣れてきたのか、朝は、それ程暑さを感じない。
でも、暑そう。


水曜日は缶を出す日。
早朝から、缶を集めている、おっちゃんが、ガラガラと、大きな袋に、詰め替えている。
お陰で、今日は缶を出す日だと分かる。
それにしても、自分の背丈程もある、高さの袋に、缶を押し潰し、ぱんぱんに、なるくらい、詰め込む。
それが、2個。
自転車の後ろと前に、ゴムひもで、くくって置く。
左右のバランスを、上手に考えながら、見事である。
自転車のタイヤが、耐えられないのではと、心配になるが、市の回収が、始まる前に、ゆっくり、坂を下って行った。
こんな坂の上にある、住宅まで回収に、来るなんて、大変な事だ。
きっと、縄張りとかがあって、決まった人が、来ているのだろう。
家の前が丁度、詰め替える、作業には、打ってつけのスペースが、あるので、黙々と作業をするおっちゃんが、目に入る。


汗ばんだ身体に、温風の様な風でも、あおられるだけで、一時しのぎには成る。


こんな暑いのに、長女は金曜の朝に、市役所へ年金を納めて来ると言って、自転車で出掛けた。
本気の行動に感動。
どれくらい納めるのかは??だが、将来に向けて、気持ちの余裕が出来た証拠。
これで、社会人としての自覚に、一歩近づいた。
自分で行動する事が、何よりも、親の気持ちを楽にさせる。
親の為に、やっているわけでは無いだろうが。
サラリーマンやOLの様に、会社から天引きされる便利さでは無い分、煩わしい支払いに、出向く事を、選択した事の、責任を果たす、長女に拍手。
当たり前と言っては、それまでだが、今の世の中、当たり前の支払いを、出来ないでいる人間が、どれ程いる事か。
高速のETCを無謀に通り抜ける車。
公共料金の不払い。
年金、保険の不払い。
上げるとキリがない。
自分さえ良ければは、良くない。


太陽が空のてっぺんに来ている。
地面が笑う様に、揺れている。
虫たちも、草陰に逃げまどう。
その中で、一際、大きな声で、セミ達が大合唱。
暑さに、拍車を掛ける、雄叫びだ。
水遊びをする子供達の、歓喜に満ちた声と、不協和音になって、のぼせた頭に、こだまする。
このままでは、凡人が殺人鬼に、成りかねない。
気を狂わす程の苛立ちが、どうか、起きません様に。
車の渋滞に、巻き込まれません様に、夫を案じる。
仕事を、無事終えますように・・。

盆休み。別に予定は無いが、ゆっくり暮らしたい。

土曜日の夜は、夫の同窓会が、有るので、午前中に買い物を、始めて、次男の働くスーパーで、済ませた。
午前中は、ピーカンで、日の照り返しが、頬に痛かった。
日傘を差していけば良かった。
レジに立つ、次男の所には、誰も並んでいなかったので、じっくり、次男を観察しながら、集計を待っていた。
恥じる事も無く、慣れた手つきで、良くやっていた。
何となく安心して、そそくさと帰って来た。

帰って来ると、30分もしないで、次男が帰って来た。
無口に、昼御飯を食べて、身体が、冷房の風に、くるまれる場所を、陣取って休息をとっていた。
短時間に、いつしか眠りに着き、ギリギリになって又、バイトに出掛けて行った。

エライ、エライ。

土曜日は、長男もバイト。
暇そうなわりに、稼いでいる長女に向かって、くさす様に、愚痴をこぼしながら、バイトに向かった。
夜10時までの、拘束に耐える事が、仕事で有るように、言っていたが、こんな割の良い仕事は、滅多に無い。
仕事にありつける事が、幸福だと気づかない。
仕事に、不満は付き物。
遊んで、家にいても、お金は、得られない。
まして、家にいても暑い。
やる気の無い時間は、只、無駄に過ぎていくものだ。
ならば、時間を、買って貰うと考えれば、その報酬で、好きなものに使える。
羨ましい限り。
家計を、やりくりする身からしたら、なんと、気ままなことだろう。


夫は、いそいそと、着ていく服を気にしながら、同窓会に、出掛けて行った。
鼻の下に出来た、ただれを気遣いながら、髭を剃って、やっと、スッキリした。
ずっと、今週は、ちょび髭のおっさんだったから。
長女が、意を決して、車で送って行った。
相変わらず、臆病に、気が進まない風だったが、行きは、お父さんが運転するからと言って、渋々ながら、同行していった。自転車に乗って、この坂道を、行き帰りすると思えば 、ずっと楽だ。
帰りは、何時になるか分からないが、羽目を外さない様に願いたい。
日曜は、又、酒が残って、グッタリだろうな。
まあ良いか。特に予定の無い、お盆休みだもの。



盆入り。

義弟君がミスドのドーナツを持って、11時頃やって来た。
おじいちゃんが、お昼に寿司でもと言うので、久しぶりに、寿司屋に電話予約。
長女の運転で、おじいちゃんだけ乗せて墓へ。
猛暑の中を、私達は歩き。
帰りは、夫が運転して、おじいちゃんと義弟君を乗せて、家で降ろし、そのまま寿司屋さんへ。
昼は、豪勢に、寿司とそーめん。
墓参りを済ませて、おじいちゃんは上機嫌。
お迎え団子も、作ってお仏壇に供えたし、残りは、後で、小豆とアイスをまぶして食べよう。
次男は、起きて来なかった代わりに、ご飯を食べてから、持って行くのを忘れた、湯飲み茶碗を持ってお墓に。
暑い、暑いと言って今、帰って来たところ。
長男は今日もバイト。
盆休みを任されているらしい。
明日もバイトって言っていた。
ご苦労様。
夜10時までのバイトは、長い。
何か、美味しい夕飯を、作っておこう。って、何?
考える力が無い。
気持ちは、めい一杯あるのだけど、自信は無い。



昨日の夫の同窓会は、様子からは、盛り上がりに、 少し欠けた様で、それ程、飲んでいるふうでもなかった。
人数が多い分、内容のある話は、出来ないだろうから、その場に居るだけで、疲れてしまったのかも。
回りの人間に、愛想を振りまくだけで、十分疲れるものだ。
まして、何年ぶりに会う人達なのだから、ありったけの笑顔を作り、好印象を残しておかなければ。
なんて、疲れる作業。
夫の場合、密かに、○○ちゃんと再会出来るかも?って期待していたらしいから、尚更、気持ちの盛り上がりに、欠けていたのだろう。
それでも笑顔って、まるでホストの様。
途中で、親しい友達も、帰ったらしい。
その友達は最近、心筋梗塞で10日程入院していたらしく、お酒も飲めないので、楽しめなかったのかも。
同じ歳の集まりは、自分はさておき、相手の老化を、まざまざと見せつけられ、ほとほと、気分を消沈させるのだろう。
淡い恋を抱いた相手なら、尚更、辛いものがある。
昔の面影が、2度と思い出せないくらいの、ショックがあるかも知れない。
それなら、昔の思い出のまま(時がたつ程、美化されているし)自分の胸に秘めている方が、ましかも。
怖いもの見たさに、簡単に考えてはいけないな。夫を見てて、そう思う。
これは大阪に居て、札幌の同窓会に参加出来ない、負け惜しみかな。