お墓参り・・・

hitto2007-03-21

布団の中でも足を縮め丸くなっていた。

寒くてなかなか起きられない、もう春なのに。

今日は、それでも天気が良く、お昼頃には気温も上がってくるらしい。

お彼岸だし、今日の午後からお墓参りに行く予定。

家族全員で行きたいが、約2名(長男、次男)が起きていない。

予定も聞いていないので、さて、どうなるか?


朝からおじいちゃんが言うには、「腰回り(ウエスト)が太ってズボンが入らなくなってきた 」とぼやく。

昨日、胃カメラを飲んだ人物とも思えない発言。

食欲旺盛で、昨日も病院帰りに長女とスーパーでおやつをたんまり買って来ている。

長女も呆れる程で、「おじいちゃんは元気そのもの」と言う。

だが、おじいちゃんは納得していない。

「胃ガンが見つかるかも?」と家族に漏らすが「っんなわけ、無いやろ!」

「食べ過ぎで、胃が荒れているならわかるけど・・・」

気の毒だが、おじいちゃんに向けられる冷たい視線。

これも健康だという確信が前提になっているのだが。

それにしても、自分の身体に対する管理完璧症が、今のおじいちゃんを支えている。

誰が守るものでもない、自分自身が守り抜くという姿勢は、見習う点が多い。

好きなものが食べられて、自分の足で歩ける。

まだまだ、後10年は頑張ってくれると信じてる。
というと、私も還暦を過ぎてしまう・・・うかうかしていられない。
こちらが、バテテしまっては話しにもならない。

私の老後はおじいちゃんが亡くなってからと感じてる。

これは、危険思想・・・(燃え尽き症候群になる)老後ではなく、人生の第三幕と考えよう。
更に、おじいちゃんの年に追いつくまで、そこから30年以上、世の中の発展を体感出来るはず。

このところの文明の発展は目覚ましい。

目を見開き、頭を活性化して、我が身に取り入れないと、いつまでも食わず嫌いで損をしてしまう。
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午後になって、やっと全員が揃い、遊びに出る前に「墓参り行くからね!」と集合をかける。
時間にして往復一時間もあれば帰って来られる。

おじいちゃんには、2時前にと言っておいて、子供達には、1時半。

予定通り全員揃っての墓参り。

嬉しそうにおじいちゃんは、少しはしゃぎ、自販機のジュースから、それぞれすきな物を選ばせ買い与え、子供の様に喋りまくる。

喋りながらの坂道は、結構息が上がり、ハアハア言うものだから、長男が「爺ちゃん大丈夫?」と曲がった背中に手をやり本気で心配顔。

「爺ちゃんには、丁度良い散歩道。いつも行ってるから大丈夫。腰が曲がってるのは、歳のせいだし、もう○○先生だって治せるものじゃない」と、おじいちゃん。

足取りが付いていかないことが悔しそう。

おじいちゃんは、墓のある山の方を仰いで、背筋をのばしてみせた。

墓に着いた頃には身体も暖まって、気持ちがいい。

雲一つ無い晴天に大きな深呼吸をしてみた。

それに応えるかの様にあちこちでウグイスが「ホーホケッキョ!」と軽やかに鳴いている。

後何回、こうして墓参りに行けるだろうか?

そんなことをふと考えて、墓の下にいるおばあちゃんに家族の健康を願った。