渡辺 謙さんのの「100年インタビュー」☆☆☆

hitto2007-08-28

渡辺 謙さんのの「100年インタビュー」を見た。
深夜にNHKで放送していた再放送を録画していたものだ。
NHK大河ドラマ独眼竜政宗』で主役の伊達政宗を演じたのは、もう20年前のことだ。その時、28歳の大抜擢の俳優だった。
がっしりとした風貌で、戦国時代の武将としての演技力も抜群だった。

その渡辺謙さんが、映画の初主演「天と地と」になるはずが、難病(白血病)になられ、降板することに・・・人生の一大事に直面することになったのです。

インタビューでは、「映画どころではない、生きるか、死ぬかですから」と淡々と話された。
病気が白血病でも、「腹が減るし、飯も食わなきゃならない。死を迎えるのは、誰でも一緒です。その日常に病があるだけで、死が近づいただけのこと。四六時中、死を考えてはいないです。考える回数が多いだけ。どこかで忘れたい、払拭したいと思っていた。病気が人生を変えた。病気をして、出会った人や良い、悪いを含めて変化した。」というように答えていた。

病気と宣告されない人間だって、突然に死がやって来ることが、この世の中には沢山ある。
ただ、いつまでも他人事としてしか、捉えられないだけのことだ。

只、謙さんの職業が俳優ということで、自身が苦悩の中にいて、病気を意図的に封印していたらしい。
「始めは、どこまで生きられるか?と思ったが、2度目の発病の時には、時間がやたらあって、俳優に戻る為のことばかり考えていた」と言う。

それからの映画、ドラマの出演は、精力的で、目を見張る。

世界中が注目する役者でありながら、テーマは地味な「明日の記憶」の本に出会った。どうしても演じてみたくて、本の作者に手紙を書いたらしい。
それまでは、自分以外の人間を演じる俳優にとって、病は、邪魔だと考えていたという。
明日の記憶」を演じていて、病気の経験が役のチャンネルにあって怖かったとも話していた。
それまでの病の封印を解かざるを得なかったと。
それが、あの迫真の演技なんだと、心に響いた。いつまでも元気に仕事することで、沢山のことが相手に伝わるのだと・・・。

なにより、気持ちが病に打ち勝っている謙さんの強さが羨ましい。
これからも、役者としての謙さんに注目したい。


日常の暮らしの中で、突然の病・・・おそらく、生活パターンはかなり変わるだろうが、人間関係は変えたくない・・・変わるのだろうな。
弱った自分を見せられる人、見せられない人、色々な人に囲まれて暮らしている・・・へんな同情はされたくないと思うが、冷たくされて傷つくのは、もっとイヤだ。
人として生まれた以上、避けられない「死」に向かっている。
今日、生まれた子も100年後には、多分もういない。