若い日の疎外感・・・

hitto2008-06-10

昨日、秋葉原の事件のことを書いた直後、FMラジオからSimon &Garfunkel サイモン&ガーファンクルのThe Sound Of Silenceサウンド・オブ・サイレンスが偶然流れてきた・・・しんみり聴き入ると、何となくこの犯人の疎外感が、この曲と重なって、苦しくなってしまった。

若い日の疎外感は、大なり小なりあるもの、それに回りの人間にどう思われるか敏感になってしまう。
自分の置かれた状況を友達と比較したり、将来の自分に不安を抱えたり。

この曲はポールがまだ成功するという見通しもない時期に作られた曲で、コミュニケーションの難しさ、自分を理解できる人間などひとりもいないと、突っぱねているように私は感じているのです。

"Fools" said I, You do not know 「愚か者!君たちは何もわかっていない!」と、まるで怒りを爆発させるような迫力があります。


現実問題、能力のある若者が派遣社員という(聞いただけでも不安定な立場の仕事・・・と、思いがちです)そんな仕組みの社会に若者がどれ程の人数働いているのか・・・

いつの頃からだろう?派遣会社がどんどん増えて、一昔前の終身雇用が当たり前という頃が遠い昔の話しになってしまった。
学生の就職も、新卒の機会を逃すと、途端に厳しいものになる。
我が子の就活を見ていても人ごとではない。

若者が夢を抱けないのは、将来にわたって安定した自分の姿を思い描けないことと、人との関わりが希薄になっていること、そしてプライドがとても大きいこと。
同時に他人の目がとても気になっていることかもしれない。
負に働く要素が多くて・・・考えるとこちらも憂鬱になってしまう。


親にしてみても、子供の将来は不安だらけ。
ここまで追い込まれる事はないにしろ、大きな挫折に堪えられる精神力を持っているのか、とても心配だ。
世の中の不条理を口にすることはあっても、なかなか明るい未来を語る姿は見えてこない。
こんな犯罪を許せるはずもないが、こんな犯罪がもっと大きな犯罪に繋がりはしないかと、不安でならない。
もっと若いエネルギーを社会の中で見守れるような仕組みにできないものか?
派遣という仕組み響きに私はどうしても馴染めないでいる。


The words of the prophets are written on the subway walls   And tenement halls.
「予言者の言葉は地下鉄の壁や安アパートの壁に書かれている・・・ 」
今で言うなら、ネットの掲示板にあたるのかもしれない。


歌詞の意味を考えなくとも、とてもメロディーが綺麗です。そして二人のハーモニーも見事です。沢山のパターンがある中で、私はデビューアルバムのアコースティック・バージョンが好きです。
繊細な声の響きが一番良く感じられるのです。
ガーファンクルの声はどこまでも澄んで聞く者の心を癒してくれる。
そしてポールのギターの爪弾きは、とても優しいのです。