天才野茂英雄投手・・・感動を有り難う!

hitto2008-07-19

早朝雨音に目覚めたが、起き上がる頃には晴天の空が広がっていた。
夏休みに入ったのに、子供達(近所)の遊ぶ声がしない・・・熱中症に怯えて家の中に避難しているのだろうか。
静かに流れるサイモン&ガーファンクルの曲を聞きながら、やっとパソコンの前に座っている。部屋の中はクーラーが効いて爽やかだ。


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今日の編集手帳・・・(読売新聞、朝刊)
 「怒りの葡萄(ぶどう)」などで知られる米国の作家ジョン・スタインベックは語ったという。
「天才とは、蝶(ちょう)を追っていつのまにか山頂に登っている少年である」と。
晴山陽一さんの著書「すごい言葉」(文春新書)に教えられた。
遥(はる)か眼下を見おろしてごらん。何とまあ、高い所までのぼったね。そう褒められても少年はぽかんとし、「ぼくは蝶を追ってきただけで…」と戸惑うのみだろう。

蝶を白球に変えれば、少年は野茂英雄投手(39)の姿に重なる。
日本人メジャーリーガーの開拓者が切り開いた登山道があればこそ、イチロー選手や松井秀喜選手の今があるのだが、その人の口から自慢はおろか感慨めいた言葉さえ聞いたことがない。
新人王、123勝、2度の無安打無得点…大リーグに数々の偉大な足跡を刻み、野茂投手が引退を表明した。「悔いが残る」という。頂上からの眺望は眼中になし、少年の目は今も幻の蝶を追っているのだろう。
小池光さんの歌集「滴滴集」から。〈野茂の尻こちらむくときつき出せる量塊の偉(ゐ)は息のむまでぞ〉。見る者の胸に風を呼ぶ、あのトルネード(竜巻)はもう見られない。