ザ・ハリケーン・・・1999年・米

hitto2008-08-29

昨夜、午前2時までの1時間に146ミリの猛烈な雨を観測したという、愛知県岡崎市は市内の約14万世帯(約37万6000人)すべてに避難勧告を出したそうだ。死者まで出たというのだから、コレはひどい。
大洪水の映像を見て、目を疑ってしまった・・・水は引けただろうか。土砂崩れは更に恐い。コメントしていた女性は60年住んでいるがこんなのは始めて・・・と言って呆然としていた。
ここ大阪でも今晩は大雨とか、自然を前に打つ手はない・・・天を仰いで、ただ祈るだけなのだろうか。


昨日の午後から、遅ればせながら、「ザ・ハリケーン」を観賞、1999年アメリカ映画

映画枠による脚色があるそうですが、概ね実話に基づいているようです・・・人種差別と冤罪が大きなテーマ。
最初から、やり切れない人種差別がイヤというほど見せられる。
人種差別は許されない悪だ・・・悲しいかな差別という文字はこの世から無くなることはない・・・人間はなんて愚かな生き者なのだろう・・・それでもこうして、正義の為に戦う人が何時の世にもいること、それが素晴らしい。


少年時代のルービン・カーター(リングネーム、ハリケーン)11歳で過酷な獄中生活を強いられ、成長期に獄中で身体を鍛える。
信じられない精神力と闘争心。本当に凄い人だ・・・もう演技だということも忘れてハリケーンを応援していた。
それと音楽が良い。ロックンロールかブルースか、そこに流れるBGM全てが良かった。ボブ・ディランのハリケーンは長い戦いの月日を思わせて切なくなる。 ボブ・ディランモハメド・アリなど、そうそうのメンバーが運動を起こしたこと・・・それでも有罪判決は覆らなかった。

妻と別れ希望を捨て生きることにも疲れていた。長い歳月が過ぎ、諦めの境地で悶々と獄中で暮らしていたんだ・・・溜息をつくのも申し訳ない気がする。

一人の少年との出会い。これは奇蹟の出会いなのだろう・・・こんな奇蹟が現実にあったのだから人生は捨てたものじゃない。冤罪に苦しめられた30年は、一言では済まされないが、無罪放免になった喜びや出会いは、おそらく一生の財産なのだろうな。

この出会うべくして出会った少年の純真な気持ちと、カナダから移住してまで協力した人達は、信じる気持ちだけで動いていたのだろうか。
恐くはなかったのか・・・昨日、亡くなったと報道された、アフガニスタンでボランティア活動をしていた伊藤さんも又、危険を顧みない正義感があったのだろう。

異国での活動は、相当の覚悟がなければ出来ないことだと思う。
無謀にも思える行動だけれど、踏み出す勇気には強い信念が必要なのだろう・・・そして信じる人がそこにいること、それが大きな支えなのだろうか。


身内以外に協力できる勇気は、私には到底ないように思える。
危険だと知っていながら行動を起こす勇気とその強さに感動しました。見終わって、本当に良い映画に出会ったという気持ちになり子供達にも推薦。