「ガレージ」2006・インドネシア映画

hitto2008-10-29

昨夜は、リアルタイムでBS2の映画を見ました。
NHKアジア・フィルム・フェスティバル「 ガレージ、GARASI」 2006年・インドネシアの映画でした。

音楽で結ばれた三人の若者たちが、互いに衝突しながらも成長してゆく様を、パンチの効いたロックに乗せて描いた青春映画。舞台はインドネシアのバンドン。複雑な家庭環境の中で育った少女ガイアは、音楽に夢を託している。そんな彼女がアガとアワンという二人の青年と出会い、ロックバンド”ガレージ”を結成するが・・・。主演の三人は、この映画をきっかけに実際にバンド活動を行い、インドネシアの人気グループとなった・・・・・そうです。

「踊るマハラジャ」とは程遠い、世界共通の青春映画だと思いました。
全体的に画面が暗く顔の表情がわかりづらい(それが狙い?)ちょっと残念という気がしましたが。
ガイアを演じたアユ・ラートナさんがとても歌が巧いのにまず驚き、インドネシア(バンドン)の若者は(音楽も)日本と変わらない環境にあるのだと思いました。
アガという青年は、民族音楽を演奏する家に育ちながら、自宅のガレージで作曲活動、幼友達のアワンは、日本の音楽学校をやめてアガのところへ戻ってくるのだけれど、(高い音楽学校の授業料を棒に振るなんて、なんて金持ち・・・と、思ってはみても映画のストーリー)着ていたTシャツもテープで張り付けたような「み」の文字・・・それはないでしょう、とツッコミ。アワンはドラム担当。

そしてボーカルのガイアが加わりバンドを結成して、自主制作CDはトントン拍子に売れ、チャートも1位になり大人気です。

ところがマスコミが、ガイアの過去を暴き立て「不倫の子」と責めたてる。
ここは、日本では考えられない。
母親の不倫で、生まれた子に責任はないと考えそうだが、まわりには非難され、ここまで切り捨てるとは。
実の祖母にまで自業自得と責められる。
ところが母親が不倫をしたことをかばい、祖母に放った台詞が
「ママが貴女に似なくて良かった!」と出ていく姿は頼もしかった。
母親の正直な気持ちを聞き、ここまで育ててくれたことに感謝し、前向きになれたことが、この映画の最も伝えたいことだったのかな・・・不倫は良くないことに違いはないが、気持ちを抑えることなんて出来ないのが人の性、その事でまわりをどんなに傷つけてしまうかは分からないが、こんな厳しい環境で生んで育てた母は立派です。