平塚八兵衛の昭和事件史・・2夜は

hitto2009-06-22

大きな雷の音に起こされたけれど、そのまますぐに寝てしまう。
なんだか寝起きがよくなかった・・・二人の息子の深夜帰宅も原因。


それにこのジメジメとした空気、やる気がおきないままダラダラと時間が過ぎていく。
小さな雨が降ったかと思うと今度は地面から蒸発し、湿気が湧き上がるようなカンカン照り、約束通り梅雨の季節です。


昨夜の録画「 刑事一代―平塚八兵衛の昭和事件史」いつ観られるとも知れないと言うので、リアルタイムで観ることに。
期待通りの熱演と心理描写が見事なドラマでした。


10日間の取り調べは胸に迫るもので、八兵衛のため息がそのまま自分のため息になっていました。
嘘をつき通す人間の苦しみ、些細な会話で嘘を見抜く刑事の記憶力と直感、もの凄いスリルでした。


人間正直に生きるのが一番、余計な苦労は背負いたくないです。
犯人の母親の言葉が胸に突き刺さります。
その言葉が尚一層胸を痛める「許して下さい。保(犯人)を産んだ私を許して下さい」と雨に打たれたまま懇願する・・・愛情いっぱい目をかけ育てた息子。
息子の罪を自らが生んだ罪と思わされる苦しみは、このような凶悪犯罪では生きる意欲さえ失ってしまう。
哀れと一言で言えないのは私も母親だからだろうか。


10日間の取り調べ、進展が見られないままに、あの手この手を尽くし犯人と向き合う。
帰宅を待つ八兵衛の妻や子供たち。
昭和30年代には当たり前だった・・・玄関に座って迎えるつつましやかな母の姿。
父の威厳もあるけれど、あの時代の母親たちはよく三つ指を付いてお辞儀ばかりしていた。
自分もあの頃の母親の年齢を多分過ぎただろうけれど、茶道のような作法は家庭訪問の時にもしてはいない。


罪を認めてからの保と八兵衛、ここまで関わって来た情が痛みに変わる。
罪を憎んでも決して人を憎まない、後は法が裁くけれど、犯人に対しての情の深さに気付かされハッとする。
確かに現代のどんな事件も人間が起こしているのに、犯罪の性質も人も昔とは違ってきているのだろう。
人間は人間なのに。