バーバラ・アレンの伝説

hitto2010-06-09

新聞の片隅に載っている悲しいニュースを読むにつけ、自分の暮らしがいかに恵まれたものだろうかと胸を撫で下ろす。
明日のことはわからない、悲しみは突然やってくるものかも知れない、けれど有難いことにこうして平凡に昨日と似たような暮らしを今日もしている。
子どもたちは(多分)毎日忙しなく、自分の暮らしに追われているようだから、何も言って来ないのが良い知らせ。
離れているせいか今まで無頓着だった携帯電話を常に自分の側に置く。
不在着信にならないようにと思うが、着信よりもはるかに発信する方が多い。


アート・ガーファンクルの最初のアルバム「Angel Clareエンジェル・クレア(天使の歌声)」を聴いたところで、9曲目の「Barbara Allen(バーバラ・アレンの伝説)」をもう一度繰り返し、今度は歌詞カードを読んでいた。
そう言えば・・サイモン&ガーファンクルの5枚組のアルバムの中にボーナス・トラックのデモが入っていたのは・・やはり、「Barbara Allen」だった。
YouTubeで曲を聴き比べると、別の曲かと思うくらい違って聞こえる。

サイモン&ガーファンクルの「Barbara Allen」は、きっとエバリーのコピーで、アーティのとは少し違う。
アーティの歌う「Barbara Allen」は、ひとつひとつの言葉を丁寧にメロディーにのせ、優しくも力強い伸びのある声で歌われ、聴いた後の余韻に暫く包まれる。


「Barbara Allen」は、17世紀ころのスコットランドの民謡で、バーバラ・アレンとウィリアムの悲恋の物語。
互いに愛し合いながら、傷つけあい、互いに意地を張っていたある日のこと、ウィリアムが亡くなってしまう。
悲しみに暮れ後を追うようにバーバラ・アレンも死んでしまう。
そして二人は古い墓地の中に眠りにつく。
ウィリアムの墓には薔薇が芽ぶき、バーバラの墓からは緑の茨が生い茂り、互いのツルがのび絡まりあい古い教会を覆い尽くしたという・・真実の愛の絆といわれ伝説となった民謡らしい。


YouTubeには、Joan Baezの歌う「Barbara Allen」もありました。こちらも素晴らしい。