映画「ゆれる」2006年 日本

hitto2010-01-21

「ゆれる」2006年 日本映画
主演の猛をオダギリジョーさん、兄の稔を香川照之さんが演じていました。
どちらも演技派、期待して観ていました。
深夜民放の録画なので、音声が聞き取れなくて難義しました。その間のCM大音量に驚かされ最後までリモコンを手放せませんでした。


東京でカメラマンとして成功している猛(オダギリジョー)は母の一周忌で帰省する。彼は実家のガソリンスタンドを継いだ独身の兄の稔(香川照之)や、そこで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会し、3人で近くの渓谷に行くことにする。猛が単独行動している間に、稔と渓谷にかかる吊り橋の上にいた智恵子が転落する。
地元で稼業を継いだ真面目な兄。東京でカメラマンとして自由に生きる弟。久しぶりの弟の帰郷で、兄弟は幼なじみの女性と一緒に近くの渓谷に出かけた。そこで兄と吊り橋を渡っていた女性が転落して死亡。その時、橋の上で何が起きたのか……


何だろう、この不完全な後味。
父子、兄弟間の確執、どこにでもあるような不和な雰囲気、一番の難点は、セリフが聴きづらかったことではなく、好きな俳優さんの主演、猛(オダギリジョー)を私が好きになれなかったことに原因があるのかもしれない。


気持ちの大揺れが映画の進行とともに感じ取れるのだけれど。
セリフの間(ま)が、そんな気持ちの動揺を表わしていて、バリバリと火花が散っているようでした、突然感情が高ぶり大声で怒鳴る。
普段無関心を装う男兄弟の特徴なのかもしれません。

事件の全容を小出しにしながら明かされるのもイライラしてしまいました。
本当は見ていたの?見ていなかったの?・・見ていたのに兄をかばっていたのか、見ていないのに兄を陥れたのか・・何も悪くない智恵子がかわいそうでならなかった。


兄→智恵子→弟、この関係を知りながら渓谷に遊びに行くかな。
兄が滑稽で、それに香川さんが巧い。
子供のころの記憶が八ミリビデオで蘇る。
兄は本当に弟思いの優しい人だった。
きっと裁判の時にも弟のことを考えて反論しなかったのだろう・・・映画が始まった途端に、私はこの兄弟は元に戻れないと思いました。


服役を終えて道路を颯爽と歩く兄、兄を呼びとめる弟、余韻を残して映画は終わってしまった。
私は、きっと兄はバスに乗ったと思う。バスに乗って後は自由に生きればいいさ。